台湾HTCが、今年2月にスペインのバルセロナで開催予定のMobile World Congress (MWC)において、クァッドコアプロセッサとLTE (Long Term Evolution)を搭載したハイエンドスマートフォンを発表する計画だという。業績見通しの悪化から昨年2010年後半は株価が3割超の下落に見舞われたHTCだが、2012年初頭のフラッグシップ製品発表による復活を示唆しており、この約束が現実のものとなるかもしれない。
同件は台湾Digitimesが4日(現地時間)、JP Morgan ChaseのアナリストAlvin Kwok氏のコメントを紹介した中国語の地元紙Commercial Timesのレポートを引用する形で報じている。JP Morganは最近になりHTCの投資判断を「Overweight」に引き上げており(「買い推奨」ではないが上位のレーティング)、その理由として、2月に開催されるMWC 2012においてNVIDIAのTegra 3プロセッサと、LTEに対応したQualcommのMSM 8906チップセットを搭載したハイエンドスマートフォンを発表する計画を挙げている。
スマートフォン市場で先行し、さらにAndroid端末の積極投入で数あるOEMベンダーの1社から大手携帯端末メーカーへと成長したHTCだが、ここ最近はAppleやSamsungといったライバルの攻勢に押されており、自らが得意としていたハイエンド端末市場でのプレゼンスも薄くなり、苦戦が続いていた。もしMWCのタイミングで業界トップクラスのハイエンド端末が投入できるのであれば、これは苦戦が続いた同社にとって追い風になる可能性がある。なお、業界関係者らの多くはHTCの2012年の成長率をフラットまたは減少とみているが、Kwok氏は2012年に15%、2013年に29%の成長率を達成すると予測している。