国土交通省はこのほど、整備新幹線の今後の取扱いについて発表した。未着工区間の3区間に関して、「認可・着工に先立ち満たすべき条件」が整い、各線区の課題についての対応が示され次第、所要の認可などの手続きを経て着工することになった。
新たに加わった3区間は、北海道新幹線の新函館~札幌間、北陸新幹線の白山総合車両基地~敦賀間、九州新幹線武雄温泉~長崎間(既着工区間の武雄温泉~諫早間を含む)。
北海道新幹線は新青森~新函館間がすでに着工しており、2015年度末の開業を想定している。新函館~札幌間に関しては、新青森~新函館間の開業からおおむね20年後の開業を想定し、総工事費は1兆6,700億円。営業主体であるJR北海道の同意と、並行在来線の経営分離に関する地方自治体の同意が認可・着工にあたっての条件となる。
北陸新幹線は長野駅から石川県の白山総合車両基地(松任駅から小松駅方向に約2km)まで建設が進められ、2014年度末の開業を想定している。敦賀駅への延伸については、営業主体となるJR西日本の同意と、並行在来線の経営分離に関する沿線地方自治体の同意が条件に。これが満たされ次第、認可・着工され、長野~白山総合車両基地間の開業からおおむね10年強を経ての開業を想定している。総工事費は1兆1,300億円。
九州新幹線長崎ルートに関しては、既着工区間の武雄温泉~諫早間と、未着工区間の諫早~長崎間を一体的な事業(佐世保線肥前山口~武雄温泉間の複線化事業も含む)として扱う。営業主体のJR九州の同意が条件となるほか、線区の課題として軌間可変電車(フリーゲージトレイン)方式での整備も挙がった。課題への対応が示された上で認可・着工され、開業時期は諫早~長崎間の着工からおおむね10年後を想定している。総工事費は5,000億円(うち新規分2,100億円)。