12月17日~18日の日程で、自作PC関連のイベント「2011 AKIBA PC-DIY EXPO 冬の陣」が開催された。このイベントはPCパーツショップ「TWO TOP」などを展開するユニットコムが主催するもので、開催は今年6月に続いて5回目。多数のメーカーがブースを構えたほか、プレゼンテーション等のイベントも盛りだくさんで、自作PCファンには目が離せないイベントとなっている。
本レポートでは、ブースで紹介していた新商品や、イベントの模様などを、写真を中心にお伝えする。
写真で見るAKIBA PC-DIY EXPO
SAPPHIREの「FLEX HD6450 1G DDR3」は、ファンレスのRadeon HD 6450グラフィックスカード。12月下旬の発売予定で、予想価格は8,000円前後 |
出力はDVI×2とHDMIだが、付属の変換アダプタを使って、DVI×3画面の同時出力が可能 |
通常は3画面出力にはDisplayPortが必須となるが、基板上の変換チップによって、DVI×3を可能としている |
ヒートシンクは大きめだが、2スロット厚に収まっている。ロープロにも対応しており、ブラケットが付属 |
OCZ Technologyは、PCI Express接続のSSD新モデルとして、「RevoDrive3 X2 Max IOPS」を紹介 |
東芝の32nmフラッシュメモリを採用することで、IOPS性能を向上させた。来年1月に発売予定だ |
新型SSD「Synapse」は、キャッシュ用に特化したという製品。Dataplex製のキャッシング・ソフトを使ってHDDへのアクセスを高速化する |
2.5インチSSDでは「Octane」が発売となったばかりだが、その廉価版として「Petrol」が登場予定(展示は無し)。コントローラは同じくIndilinxのEverest |
サイズの注目製品はコレ。単なる筒に見えるが、極冷用のCPUクーラーで、ドライアイスや液体窒素を使うためのものだという |
中はこうなっている。価格は1~2万円程度で、来年春以降の発売予定。製品名は「Extreme Cooling Cup」となる |
IN WINの「K1」は、Thin Mini-ITX規格向けのPCケース。参考出品ということで、発売は未定だ |
今のところ、Thin Mini-ITXのマザーボードはIntelのDH61AGしかないが、とても薄くできる |
ケースの形態はいくつか考えられている。これはモニターアームを搭載して、ディスプレイ一体型PCになるもの |
2.5インチHDD/SSDとスリムドライブを搭載可能。右端はクレジットカードのリーダーだが、国内仕様では変更される見込み |
ELSAは、ショート基板の「GTX 560 Ti mini」のオーバークロック版を開発中。AXERIZEブランドで、来年1月に発売予定 |
1スロット厚の「GTX 550 Ti SP」は、先日発売されたばかり。クーラーの中身はこのようになっている |
これからHDDの価格は上がる? 下がる?
この時期柄、気になるのはタイの洪水に端を発したHDD価格の高騰だ。このイベントでは、Western Digital、Seagate、HGSTの3社が顔を揃えていたので、ブースで担当者に状況を聞いてみた。
まず、他社に先駆けて容量4TBのモデルを発売したHGST。同社の場合、HDDの製造工場の被害はそれほどでもなかったが、部品メーカーが被災してしまったために、生産量が減少したのだという。供給が元通りになる見通しについては、「来年3月くらいまでかかりそう」(ブース説明員)とのことだ。
Seagateも状況はHGSTと似たようなもので、製造工場の被害はなかったが、部品メーカーの影響を受けた。説明員によれば、「HDD業界全体で、1四半期あたり1億9,000万台を製造できるキャパシティがあると言われているが、タイの洪水により、これが1億台程度にまで下がったようだ。業界では、元通りになるのはあと1年くらいかかるという声もある」とのこと。
最も大きな影響を受けたのは、工場そのものが被災したWestern Digitalだ。同社は2日目にプレゼンがあったのだが、それによれば、タイの製造工場は一部で稼働を再開したとのこと。フル稼働の時期についてはまだ見通しが立っていないようだが、最悪の状況は脱したと言えそうだ。なお、同社の社長兼CEOであるジョン・F・コイン氏は数年前までタイで工場長をやっており、洪水のときにはいち早く指示を出して、1階のものを2階に上げるなどの対策を取っていたそうだ。