富山地方鉄道は20日、観光列車「アルプスエキスプレス」の運行開始を発表した。同社の車両16010形(旧西武5000系)をベースに、西武時代の外観を保ちつつ、ワイドな窓や軽食販売コーナー、コンパートメントシートなど、旅を彩る演出が用意されるとのこと。

映画『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』にも登場した富山地方鉄道16010形。新たに観光列車「アルプスエキスプレス」として生まれ変わることに(写真はリニューアル前のもの)

同列車の車両デザインを手がけたのは、九州新幹線800系をはじめとするJR九州の各車両や、和歌山電鐵「いちご電車」「おもちゃ電車」「たま電車」などで知られる水戸岡鋭治氏。16010形は西武特急レッドアロー(初代)で活躍した車両で、2編成のうち1編成が「アルプスエキスプレス」となる。西武時代の面影はそのままに、新たなロゴマークを各所に配した外観になるという。

内装には木製素材を使用し、温かみのある空間に。ソファや子供用ハイデッキシート、4人がけのテーブル付きコンパートメントシート、外向きテーブル付きシートなど、座席の配置にも工夫をこらした。軽食販売コーナーも設置され、富山の食材を生かした商品が販売される。

「アルプスエキスプレス」の発車式は22日に電鉄富山駅で開催され、新デザインの車両がお披露目される。運行開始は翌23日から。23~24日は電鉄富山~立山間、電鉄富山~上市間、電鉄富山~宇奈月温泉間、電鉄富山~岩峅寺間(南富山経由)の各区間を1往復ずつ運転し、座席指定券がなくても乗車区間の運賃のみで乗車できる。25日からは座席指定券(210円)が必要に。

26日から1月6日までは通常運行で、1号車と3号車の2両編成で運転される。1月7日以降、平日は通常運行(2両編成)、土日祝日は観光列車(中間車を組み込んだ3両編成)としての運行となる予定。なお、同列車は臨時貸切列車としても利用可能とのこと。