第144回芥川賞を受賞した西村賢太の『苦役列車』が映画化されることが先般発表されたが、今作のヒロイン役にAKB48の前田敦子が抜擢された。

『苦役列車』は11月25日にクランクインし、現在年内のクランクアップを目指して順調に撮影中だという。主演は映画のみならずテレビ、舞台と幅広い分野で定評のある森山未來。さらに『白夜行』『軽蔑』などデビュー5年にして映画への出演本数が20本以上を数える高良健吾が共演に名を連ねている。監督は『マイ・バック・ページ』『天然コケッコー』などを手がけた山下敦弘。

前田は原作にはないオリジナルの登場人物・桜井康子役で出演する。かねてより公式ブログで「山下敦弘監督の大ファン」と公言していただけあり、今回の起用に際して喜びに満ちあふれたコメントを寄せている。

前田敦子のコメント

「私はいつも『好きな監督は誰?』って聞かれると、一番に『山下監督です!!』って答えていたぐらい大ファンだったんです。なので、本当に念願のお仕事だったんです。今年はいろんな作品をやらせていただいたので、もう演技のお仕事はないって思っていたんです。まさか、(今年)最後にこんなにやりたいものが舞い込んでくるなんて……。すぐに、やらせて、やらせて、ってお願いしちゃいました。本当に幸せなお仕事です!」

劇中の前田敦子。森山演じる貫多に想いを寄せられる古本屋の店員・康子役に挑む

山下監督も「AKBの中でもナゾな部分がある子というところが、何が未知なるものが生まれるのではと興味がわいて、起用させていただきました。森山君ら共演者とも女優前田敦子としての挑戦になるんじゃないかと思っています」と抜擢の理由を語った。

『苦役列車』STORY

1987年。19歳の北町貫多(森山未來)は中学を出て以来、日当5,500円の港湾での日雇い労働でその日暮らしの生活を続けている。貫多には、若者にとって必要不可欠であろう恋愛(女)も、友情(友人)もない。貫多をそうたらしめたすべての原因は、彼の自業自得の素行の悪さと劣等ぶりに加え、父親の犯罪からくる引け目だった。

そんなある日、港湾労働で知り合った専門学生・日下部正二(高良健吾)に久々に友情めいた感情が生まれる。だが彼に近づくにつれ、将来の選択肢が豊富な日下部に対して猛烈な嫉妬を抱くようになる。さらに密かに想いを寄せる古本屋店員・桜井康子に対しても上手く距離を図れず、拒絶されてしまう。誰も相手にせず、誰からも相手にされず……。ひたすら酒と風俗に溺れ1人取り残された貫多。その頃、唯一、人生で興味を持ち始めた作家の作品を片手に、筆を執り始めたのだった――

映画『苦役列車』は2012年公開予定。