毎日新聞社および日本パソコン能力検定委員会は12月11日、「第11回毎日パソコン入力コンクール全国大会」を開催した。このコンクールはパソコンの入力速度とともに正確さも競うコンクール。当日は全国から集まった小、中、高校生が競技を行った。

競技は複数の部門があり、第1種第I類としてキーボードの3段目、あるいは2~4段目に絞ったホームポジション、ローマ字、英文、和文、そして半角数字と演算子のみの数字・記号など。第II類はタイピングを使った基礎学力を競う目的で、英単語、漢字、そして計算、フラッシュ演算といった規定がされている。英文、和文といった競技では、紙の原稿を見ながら入力し、入力速度やその正確さを競う。フラッシュ暗算では、プロジェクタに投影された課題をこなしていくといった競技方法となる。競技中は競技者の集中力を削がないよう、保護者も競技会場の外から見守っていた。全国大会は、6月大会、秋季大会(参加者はそれぞれ約3万9000名)を勝ち抜いた参加者による大会で、子供と言えどもその入力スピードと正確さは大人も舌を巻くもの。

競技はデジタルハリウッド大学秋葉原セカンドキャンパスで開催された

競技用に用いられたパソコンと、競技用のソフト

競技では2種類のキーボードが選べる

競技中の選手の集中力を削がないよう、保護者は別室で応援

競技は午前中に行われ、午後には結果発表と表彰式が行われた。式では毎日新聞社デジタルメディア局局長の増田耕一氏が挨拶に立った。「本大会は10年前に始まって、第11回目を迎えており、この間に100万人以上の方が受けられた。今は大学を卒業して、社会に出てまず必要になるのはパソコンで文書を作る技術という時代。10年前はまだパソコンが子供にまでは普及していなかったが、今では文部科学省も学習指導要領にキーボードの入力という点を加えるようになっている。そういったことを是非小学生のうちから身につけておくという趣旨で本コンクールをはじめたが、毎年たくさんの方に参加していただき趣旨が伝わってきていると感じている」と述べた。

毎日新聞社デジタルメディア局局長 増田耕一氏

表彰は各部門で10位まで。各部門の1位には特別賞、大臣賞が送られ、同時に協賛各社からの副賞も設けられている。また、成績優秀な学校には、学校賞も贈られる。

表彰式では各部門で10位までに入賞した選手が表彰された

部門 賞名 氏名 学校名 学年
第II類 計算 文部科学大臣賞 宮下幸子 愛媛県松山市立第二中学校 中学3年
フラッシュ暗算 文部科学大臣賞 日浦貫人 千葉県市川中学校 中学1年
第II類 英単語 小・中学生 総務大臣賞 野上実希 愛知県豊田市立朝日丘中学校 中学2年
第II類 英単語 高校生 総務大臣賞 新堀愛 東京都立国分寺高等学校 高校3年
第II種 漢字 小学生 総務大臣賞 堀瑞歩 東京都世田谷区立芦花小学校 小学6年
第II類 漢字 中・高校生 総務大臣賞 山田島直哉 兵庫県神戸学院大学付属高等学校 高校3年
第1部 ホームポジション 基礎 毎パソ特別大賞 海老澤未夏 茨城県日立市立日高小学校 小学5年
第1部 ホームポジション 応用 文部科学大臣賞 岩間来夢 茨城県高萩市立松岡小学校 小学5年
第2部 ローマ字 文部科学大臣賞 高倉睦 三重県伊勢市立厚生中学校 中学2年
第3部 英文A 文部科学大臣賞 渡邊綾仁 北海道恵庭市立恵庭中学校 中学3年
第4部 英文B 文部科学大臣賞 松山尚武 大阪府関西創価高等学校 高校3年
第5部 和文A 小学生低・中学年 文部科学大臣賞 赤坂麻衣 福井県福井市立足羽小学校 小学4年
第5部 和文A 小学生高学年 文部科学大臣賞 山口優璃 茨城県日立市立豊浦小学校 小学6年
第5部 和文A 中学生 内閣総理大臣賞 川畑拓也 愛知県豊田市立美里中学校 中学2年
第5部 和文A 中学生 文部科学大臣賞 三羽未織 愛知県蒲郡市立三谷中学校 中学1年
第6部 和文B 高校生 内閣総理大臣賞 関萌美 兵庫県立星陵高等学校 高校2年
第6部 和文B 高校生 文部科学大臣賞 小菅裕太 埼玉県わせがく高等学校 高校3年
第7部 数字・記号 小学生 経済産業大臣賞 清水晴彦 茨城県高萩市立秋山小学校 小学5年
第7部 数字・記号 中・高校生 経済産業大臣賞 鄭在弘 茨城県朝鮮初中高級学校 中学3年
最優秀学校賞 兵庫県神戸学院大付属高校
優秀高校賞 兵庫県神戸学院大付属高校
優秀中学校賞 茨城県立並木中等教育学校
優秀小学校賞 茨城県リリーベール小学校

表彰者の声

第II類 計算 宮下幸子さん。練習は集中力が続く間、集中的に行う。2年前くらいに参加した際に2位をとったことをきっかけに本格的に練習をはじめ、今年の挑戦で1位がとれ本当にびっくりした。タイピングが速いと、授業で目立ちます。

第II類 計算部門1位の宮下幸子さん

フラッシュ暗算 日浦貫人くん。平日は忙しいので休日に2時間くらい練習をしている。はじめたきっかけは、幼稚園の時、そろばんの先生にすすめられたこと。そろばんをしており、算数、暗算が得意。暗算や算数が生かせる分野で活躍したい。

フラッシュ暗算部門1位の日浦貫人くん

第II類 英単語 小・中学生 野上実希さん。帰国子女でもともと英語は得意だったが、海外では幼い頃からPCの授業がある。ただし小さい頃からPCに触れていたが、本格的にやり始めたのは小2から。現在は忙しいこともあり週に10分ほど集中して練習している。今後も大会に出たい。