ブリヂストンは10日、「第42回東京モーターショー2011」の自社ブースにて、公募作品コンテスト『タイヤセーフティ選手権』の表彰式を開催した。プランニング部門と動画部門から優秀賞と最優秀賞、さらに動画部門はブリヂストン賞3作品の製作者が表彰された。
同コンテストは、ブリヂストンが2003年から取り組む「タイヤセーフティ活動」の一環で開催。タイヤ点検や交通安全につながる動画とプロモーション企画を競う趣旨で、「情報発信力を持っている人々と相互にコミュニケーションを取り、安全と日々のメンテナンスの大切さを共有したい」とのこと。
プランニング部門は、模造紙1枚で企画を表現する作品を募集した。最優秀賞は杉町美樹さんが制作した「Ready Good Car Life」。節約に関心のある主婦層をターゲットに、スマートフォンアプリ、ショッピングセンターのイベント、雑誌の節約術特集などでタイヤの日常点検の実施を促すという。実現可能なさまざまなアプローチを連携させた点が評価された。
優秀賞は鈴木義大さんと吉村亮さんが制作した「大切な人へのギフト」。タイヤをかたどった石鹸とバスボールをギフトとしてラッピングし、お中元やお歳暮としてプレゼントできる商品。大切な人への感謝のメッセージと、タイヤ点検の重要性を伝えるという。ビジュアル、内容共に完成度が高く、企画内容が分かりやすい。また、タイヤと石鹸という、かけ離れたものを「使用すると減っていく」というキーワードで結びつけたアイデアが評価された。
ブリヂストン執行役員、江藤彰洋氏は「スマートフォンのアプリやテーマパークを作るなど自由な発想に驚かされた」と述べ、審査ポイントを「メッセージ性、独創性、わかりやすさ、より多くの人に伝わる内容。そして実現性を重視した」と説明した。
動画部門は「交通安全」がテーマで、タイヤの正しい使い方やタイヤ点検の重要性を広く伝える作品を募集した。映画監督の大林宣彦氏とモータージャーナリストの清水和夫氏が10作品を選び、11月8~25日の期間でWebサイトに公開、閲覧者の投票で決定した。投票総数は6,135票だったという。
最優秀賞は石川幸典さんが制作した「僕らが向かう世界」。さまざまな丸いものが転がる場面にナレーションを加え、タイヤと人生を連想させる世界観を表現した。いつも一緒にタイヤが支えているというメッセージが印象的な作品。「タイヤを見せずに、いかにスケール感と感情を表現するかに苦心した」と石川さんは言う。
優秀賞は下山弥生さんが制作した「クルマは急に止まれます」。おもちゃを追いかける犬と、交差点で止まろうとするクルマを比較したユニークな表現で、クルマが定期的なタイヤ点検で安全に止まれると訴求した。エンディングの犬の表情が印象的に作品だ。下山さんは、「楽しく安全点検につながる動画を作りたいと思った。苦労したところはラストシーンのミニカーと犬の場面」と説明した。
動画部門はこのほかに、ブリヂストン賞として3作品が選ばれた。三好定夫さんの「セーフティドライブ」は、タイヤの役割と点検ポイントが明確に表現され、「タイヤはハガキ1枚の設置面積でクルマを支えている」「タイヤが家族の命を載せている」というメッセージが直接伝わる内容に。
制作屋G&Tの「犯人は誰だ」は、刑事ドラマ仕立てで整備不良のタイヤを容疑者とし、刑事が追求するというユニークな作品。松本翼さんほか4名による「はてなのタイヤ」は、映像とはてなマーク、OKマークのアニメーションを組み合わせて、タイヤの整備不良による危険とは何か、摩耗・空気圧・傷チェックなど、月に1度はタイヤ点検が重要であるという内容を伝える作品になっている。
動画部門の表彰式と総評に、映画監督の大林宣彦氏も駆けつけた。「同じテーマでも、作り手の感性によっていろいろな作品ができる。ナンバーワンではなくてオンリーワンばかりだった」と応募作品の個性を評価し、「礼儀正しく運転しましょうと常識を伝える作品が集まったが、表現として魅力的になるために、チャーミングな常識、魅力的な個性のある常識を重視した」と総評した。
さらに東日本大震災にも触れ、「心のなかのスクリーンが真っ白になった。何を表現していいのか、どう生きていいのかわからなくなったこともある。だけど、人は人らしく、賢く美しく生きていこうと歩んでいく。そういったメッセージが、今回の作品にはチャーミングに語られており、励まされました。応募作品を見ながら、笑い、感動しました」と締めくくった。
表彰された作品はブリヂストンが運営する公式サイトから閲覧できる。また、同社は来年もこのコンテストを実施すると発表した。