カナダのResearch In Motion (RIM)は12月2日(現地時間)、同社会計年度で2012年第3四半期(2011年9-11月期)のガイダンスを発表した。この中で同社はタブレット製品「BlackBerry PlayBook」について4億8500万米ドルの償却を行うことになると予告している。これは厳しい販売状況の中で在庫が積み上がったことに由来する。この発表を受け、2日の同社株価はNASDAQとTSEともに10%近い急落を見せている。なお、同社第3四半期決算の正式発表は12月15日に行われる予定。

同社によれば、第3四半期におけるPlayBookの販売台数は15万台だったという。特に期の後半では積極的なプロモーションや値下げ策が功を奏したこともあり、コンシューマとエンタープライズともに反応はよかったと説明している。だが4月の製品発売からの累計台数は90万台弱であり、いまだ100万台には達していない。一方でAppleのiPadは3四半期で2500万台近いオーダーを叩き出しており、ホリデーシーズン商戦時期をまたぐタイミングにしてはPlayBook販売の現在のパフォーマンスは低すぎるといえる。撤退の見方がある現状に対し、RIMでは「タブレット市場はまだ成長途上にあり、RIMは引き続きPlayBookにコミットしていく。2012年2月には既存ユーザーも含めてPlayBook OS 2.0を提供していく計画もある」と述べており、タブレット市場に引き続き注力していくことを強調している。

そのほかの概況としては、BlackBerryスマートフォンの第3四半期の出荷台数はおよそ1410万台で、当初予測の1350-1450万台の水準に収まるという。一方で秋頃に続いたサービス停止問題関連の約5000万米ドルのコストを除いた状態でも、同四半期の売上は当初のガイダンスにあった53億-56億米ドルの水準を下回ることが見込まれるという。さらに第4四半期の見通しとして、現況の販売状況の判断からBlackBerryの販売台数が第3四半期の水準を下回る可能性が高いとしている。第4四半期はホリデーシーズン商戦最盛期を含む決算期だが、それにも関わらずさまざまな要因から市場の需要はそれほど盛り上がらないとの予測だ。おそらくは、昨今の経済不況が1つの要因にあるとみられる。

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Research In Motion (RIM)