トヨタ自動車は29日、プラグインハイブリッド車(PHV)の新型「プリウスPHV」の発表会を行った。同日より受注を開始し、発売は2012年1月30日からを予定している。

報道陣に披露されたトヨタ「プリウスPHV」

"先進性"をアピールする独自のデザインに

「プリウスPHV」は家庭用電源などから充電が可能で、電気利用車両の早期本格普及を目指し、「圧倒的な燃費・環境性能」「量産車にふさわしい高い商品性・使いやすさ」「お客様に納得していただける価格」の3点にこだわって開発された。

新型リチウムイオン電池を採用したことにより、満充電状態からのEV(電気自動車)走行換算距離は26.4kmに。EV走行とHV(ハイブリッド車)として走行する燃費を複合し、算定したPHV燃費(プラグインハイブリッド燃料消費率)は、1リットルあたり61.0kmを実現したという。

この日行われた発表会では、トヨタ自動車代表取締役副社長の内山田竹志氏から、6~8月に愛知県豊田市で行った「PHV実証実験」についても報告があった。

充電インフラが整備された豊田市在住の会社員や主婦などを対象に、25台のPHV(限定リース車)を利用してもらい検証した結果、充電回数は1日平均2回、平均燃費は1リットルあたり44.8kmで、従来車と比べ72%もの石油消費量削減効果を確認できたという。

「ある専業主婦の場合、平日、休日とも近距離走行が多く、自宅に戻るたびに充電したため、ほとんどの移動をEV走行でカバーできました。3カ月間の走行距離は2,486km、充電頻度は1日3.4回で、燃費はリッター249km。我々も驚くほどでした」と説明した内山田氏。1日1回のみ充電し、休日は長距離走行することが多い会社員のケースでも、燃費は1リットルあたり41kmになるとのことだった。

「PHV実証実験」の結果をもとに、「プリウスPHV」の高い環境性能をアピール

「使い方によって効果は異なるものの、総じて高い石油消費削減効果があることが示されました」と内山田氏は述べ、「プリウスPHV」の高い環境性能をアピール。"HVに継ぐ次世代環境車の柱"として、日米欧で発売し、年間販売6万台をめざすことを明らかにした。

「プリウスPHV」は全国のトヨタ店、トヨペット店、トヨタカローラ店、ネッツ店で発売。車両価格は320万円からとなる。なお、クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(CEV補助金)が適用された場合、275万円からの購入も可能になるとのこと。

「プリウスPHV」のボディカラーは全8色あるという。従来のプリウスにはないカラーも用意されている