西武鉄道は27日、10000系1編成を初代レッドアロー5000系の塗装に変更した「レッドアロークラシック」の運行を開始した。これを記念し、池袋駅では出発式も行われた。
「レッドアロークラシック」による臨時列車は、朝8時54分頃、池袋駅特急ホームに入線。レッドアローの由来でもある赤帯をまとった10000系車両を前に、多くの鉄道ファンがカメラを向けた。
出発式では、西武鉄道の鉄道本部長、金杉和秋氏(取締役常務執行役員)が、「レッドアローは昭和44(1969)年10月14日、西武秩父線の開通とともに誕生し、当初は4両編成で運転されていました。42年前のクラシックなレッドアローに乗り、当時の気分を味わってほしい」と挨拶。その後、金杉氏や初代レッドアローの第1号運転士の新井敏三氏、「レッドアロークラシック」に乗車する親子1組らがテープカットを行い、9時10分に池袋駅を出発した。
「レッドアロークラシック」では、初代レッドアローがデビューした頃のパンフレットや、昭和40年頃の飯能駅と本川越駅の写真、かつての西武線沿線の風景写真などを車内座席のテーブル背面に掲出している。この日、池袋~西武秩父間を往復した臨時列車では、初代レッドアローで車内販売を担当した販売員による「ボックスティッシュケース 5000系レッドアロー」の販売も行われた。
車内放送では初代レッドアローの歴史をはじめ、「デビュー当日に運転された『ちちぶ1号』の座席(264席分)は、発売からわずか15分で売り切れた」「西武線の各駅でも問い合わせが殺到したが、その大半が『都内へ通勤・通学はできますか?』というものだった」などのエピソードも披露。途中の武蔵横手駅を通過する際、環境への取り組みとしてヤギを飼っていることも案内されていた。