福島県は16日、福島市で生産され出荷されていない2011年産米について、食品衛生法の暫定規制値(500ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出されたため、福島市を通じてこの米の出荷を自粛するよう生産者及び関係流通業者に要請したと発表した。また、安全が確認されるまで、この米の生産地である福島市大波地区(旧小国村)の2011年産米の出荷を見合わせるよう併せて要請したことも発表した。
11月14日に福島市大波地区(旧小国村)で生産された玄米を、生産者の依頼によりJA新ふくしまの簡易分析器(NaIシンチレーションγ線スペクトロメータ)で分析した結果、暫定規制値を超える値が検出された。
このため、同日、この玄米を福島市放射線モニタリングセンターのゲルマニウム半導体検出器で再度分析したところ、同水準の値が検出されたことから、同日夕に県に連絡があった。
福島市から連絡を受け、福島県は15日、この生産者の玄米を米の放射性物質調査本調査の方法に準じてサンプリングし、16日までに県農業総合センターで分析を行った結果、暫定規制値を超える630ベクレル/kgの放射性セシウムが検出された。
検査結果は以下の通り。
生産者の2011年産米は、全量(840kg)JAの倉庫及び生産者の自宅に保管されていた。ただちに出荷の自粛を要請したため、この生産者の米は流通していないという。
また福島県によると、大波地区の2011年産米は、これまでの調査の結果(86戸調査済)、JA新ふくしまへの出荷、自家保有米、縁故米のほか4人が地元米穀店などに出荷している。
JA新ふくしまに販売委託(契約含む) 1,921袋(57.6トン)
自家保有米 1,214袋(36トン)
縁故米 274袋(8トン)
地元米穀店などに販売 30袋(1トン)
今後の対応として、福島県では、県産米の安全性確保の観点から、引き続き状況の把握に努めるとともに、大波地区では全戸について調査を実施し、実態把握と原因究明を行うとしている。また、米の取扱いについては、厚生労働省や農林水産省とも連携を密にして適切に対応していくとしている。