米NVIDIAは11月15日(現地時間)、高性能ワークステーション向けの新技術「NVIDIA Maximus Technology」を発表した。既存のハイエンドGPUである「Quadro」とGPGPUの「Tesla」を組み合わせ、高度なグラフィック処理とGPUコンピューティング処理の両方を同時に行えるというのが特徴だ。HP、Dell、Lenovo、富士通など、大手OEMからMaximusに対応したワークステーションの提供がすでに開始されている。

Maximusのコンセプトは、もともと今年夏に開催されたSIGGRAPH 2011で「Project Maximus」としてNVIDIAによって発表されていたもの。今回のタイミングでの発表となった。ポイントとしては、QuadroとTesla C2075という既存のNVIDIA製品ラインナップをそのまま利用しながら、これをMaximusを使って同時に利用することで、必要なワークロードを両プロセッサに対して透過的に配分し、より強力なコンピューティング・パフォーマンスを引き出せるというものだ。そのため、3Dレンダリングやシミュレーション、ビデオ編集、各種統計処理などにおいて、QuadroやCPU単体での処理よりも、より高い処理パフォーマンスを引き出せるようになる。具体例として挙げられているのが、Autodesk 3ds Max、Bunkspeed、Dassault Systemes CATIA、ANSYS、Adobe Premiere、MATLABなどで、CUDAを利用してより高い実行パフォーマンスが得られるようになるという。実際の事例やパフォーマンス比較については、NVIDIA Maximusのページを参照するといいだろう

前述のように、Maximusそのものはハードウェア技術ではないため、QuadroとTeslaについて、Maximus対応のドライバを導入することで同技術をサポートする形になる。例えばDellではPrecision T5500/T7500/R5500のワークステーション製品でMaximusに対応する形になるが、ユーザーは適時Maximus対応ドライバをDellからダウンロードすることでMaximus対応を行うことになる。