エムエスアイコンピュータージャパンは11月14日、日本市場向けに発売するLGA2011マザーボード「X79A-GD65(8D)」「X79A-GD45」「X79MA-GD45」の3モデルを発表した。いずれもIntelの新チップセット「X79 Express」を搭載し、新CPU「Core i7-3000」シリーズ(Sandy Bridge-E)に対応するゲーミングモデルだ。
ミリタリークラスが「III」に進化
ATXフォームファクタの「X79A-GD65(8D)」は、メモリ8スロットを備える最上位モデル。PCI Express x16スロットを5つ搭載しており、3-way SLIと4-way CrossFireXをサポートする。「X79A-GD45」は、メモリが4スロット、PCI Express x16が3スロットとなる廉価版だ。
GD65(8D)の初回出荷分は、ThermaltakeのCPUクーラー「Frio Advanced」がバンドルされた限定版となる。同社代理店のリンクスインターナショナルによると、限定版の本数は300個。
マイクロATXフォームファクタは「X79MA-GD45」の1モデル。拡張スロットの数が少なくなっているほかは、ATXモデルのX79A-GD45とスペックはほぼ同様だ。マイクロATXモデルながら、マルチGPUに対応しているのが特徴と言えるだろう。
■主な仕様 | |||
製品名 | X79A-GD65(8D) | X79A-GD45 | X79MA-GD45 |
---|---|---|---|
フォームファクタ | ATX | ← | マイクロATX |
DIMM | 8 | 4 | ← |
PCI Express x16/x1 | 5/1 | 3/4 | 2/2 |
PCI | 0 | ← | ← |
USB3.0/2.0 | 4/12 | 4/10 | ← |
発売予定日 | 11月14日 | 11月14日 | 12月 |
店頭予想価格 | 33000円前後 | 26000円前後 | 未定 |
同社がアピールするのは、ついに第3世代に進化した品質規格「ミリタリークラスIII」である。高品質部品の採用は従来通りだが、IIIでは全てのモデルで「MIL-STD-810G」認証を取得。また「DrMOS」も「II」にバージョンアップし、一定温度で自動シャットダウンができる新機能を搭載した。ミリタリークラスIIIには星の数によるランク分けがあるが、今回の新モデルは全てフルスペックの「5つ星」となる。
Big Bang-XPower IIも初披露
同社が報道向けに開催した説明会には、台湾本社からRay Tsai氏(社長室スペシャルアシスタント)とAlex Kuo氏(マザーボード戦略担当アシスタントバイスプレジデント)が来日し、挨拶した。
Tsai氏は新モデルを簡単に紹介したあと、「まだ11月で少し早いかもしれないが」と前置きしつつ、2011年を総括。「波乱の1年だった」と振り返った。
まず2月には、Intelの6シリーズチップセットに不具合が見つかり、一時、店頭から搭載マザーボードが姿を消すという異常事態となった。そして3月には東日本大震災が発生し、大きな被害が出たと思えば、続いてタイで大洪水も起き、HDDの品不足と価格の高騰が現在も続いている。
しかし来年は「明るい話題があると思う」とTsai氏。「Intelからは、新しいCPUとチップセットが出てくる。今年は新製品が少なかったNVIDIAとAMDからも、新しいGPUが出てくる。そして目玉はWindows 8だ」と述べ、「過去2年間、コンシューマPCは伸び悩んでいたが、来年は巻き返しの1年になると見ている」と期待する。
しかし、何もしなくてもユーザーが勝手に製品を買ってくれるかというと「そうではない」と同氏。「タイムリーに製品を市場に出して、ユーザーにアピールすることが重要。そうした体制を作り、攻めないといけない」と述べ、「これから派手にやっていく」と宣言した。
またAlex Kuo氏からは、PCI Express x16スロットが7つ並んだ「Big Bang-XPower II」というマザーボードが紹介されたが、この詳細については「年明けに公開する予定」(同社広報)とのこと。
「Big Bang-XPower II」。X58チップセットの「Big Bang-XPower」同様、全スロットがPCI Express x16となる |
ヒートシンクの形状も凝っている。"ミリタリークラス"ということもあるのだろう |
関連リンク
・【特集】完全攻略!! 「Sandy Bridge-E」ベンチマーク - Core i7-3960Xで試す新世代6コアの実力
(2011/11/14)
・MSIコンピュータージャパン
http://jp.msi.com/