台湾ASUSTeK ComputerのAndroid 3.2搭載タブレット「Eee Pad Transformer Prime」の詳細スペックが明らかになり、PC Magazineなど複数のメディアが同件について11月9日(日本時間)に報じている。だが実際のローンチは当初噂されていた11月9日ではなく、12月上旬へとずれ込むようだ。その原因として、Android 4.0 "Ice Cream Sandwich"へのアップグレードが取り沙汰されている。

Eee Pad Transformer Primeのティザーサイト

同件を報じているのは台湾Digitimesだ。サプライチェーン関係者の話として、Googleが同マシンに対してAndroid 4.0へのアップグレード支援を表明したことが原因にあるという。同日にはNVIDIAの最新プロセッサ「Tegra 3」(開発コード名: Kal-El)が正式発表されており、この情報解禁日である9日に合わせてその最初の採用製品であるTransformer Primeをお披露目する予定だったといわれている。だが、Transformer Primeのローンチは急遽12月まで1カ月近く延期された形となってしまい、その理由として取り沙汰されているのが前述のGoogleの動きと、Android 4.0アップデートの話題である。

Digitimesによれば、当初Googleは台湾ベンダー各社らにAndroid 3.0から4.0へのアップグレード支援を行うことに消極的であり、これが結果として同ベンダーらの目をMicrosoftのWindows 8へと向かわせる結果につながっていたという。Windows 8リリースまではまだ1年近い期間があるが、Windows 8の中核になるとみられる台湾ベンダーを事前防衛策として自陣営へと引き込み、さらにMicrosoftに対してWindows 8のライセンス費用を引き下げる圧力をかけるのが狙いだという。

結果として、Transformer Primeは今年の年末商戦の中心期間を逃してしまう形になったが、代わりにAndroid 4.0アップデートを最も早い時期に入手できる権利を得た可能性がある。この判断が吉と出るか凶と出るかはまだわからないが、期待していたユーザーはもうしばらく辛抱する必要がありそうだ。

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