みずほ証券はこのほど、2011年冬のボーナスについての予想をまとめたレポートを明らかにした。これによると、民間企業(事業所規模5人以上)における今冬の一人当たり賞与支給額は、平均で37.8万円(前年同期比▲0.3%)になると予想している。
みずほ証券では、リーマン・ショック後の急激な企業業績の落ち込みからの回復が一巡したことや、東日本大震災の影響から企業活動が制限されたことを受け、経常利益の前年同期比は減少基調にあり、このため、今冬の民間企業のボーナスには減少圧力がかかると予想している。
みずほ証券によると、東日本大震災発生直後には、復興需要および外需に主導された「V字型回復」を予想する向きが多かった。しかし、原発事故対応や復興に向けた大型補正予算の成立の遅れなどから復興需要の顕在化が後ずれしているという。また、グローバル経済の減速から外需への懸念も生じるなど、国内経済の「V字型回復」の達成が危ぶまれている。さらに、電力不足や円高により先行きの企業業績が悪化する可能性もあり、「こうした懸念が、ボーナスへの減少圧力になるとみられる」(みずほ証券)としている。
一方みずほ証券では、公務員(国+地方)の一人当たり支給額について、平均で76.5万円(前年同期比+1.8%)になると予想。4年ぶりの前年同期比プラスとなる見込みであるとしている。なお、この予想には給与特例臨時法案や人事院勧告の影響は含まれていない。
支給月数は2.05カ月(年間3.95カ月)と、2010年度の水準から0.05カ月分引き上げられる。この影響から、「2011年冬のボーナスは前年を上回る可能性が高い」(みずほ証券)。
なお、公務員の一人当たり支給額が民間に比べて多いのは、民間がパート労働者を含んだ数値であるのに対し、公務員は非常勤労働者を含まない数値であるためであり、「金額を単純に比較することはできない」(同社)としている。