ストックフォトサービスのiStockphotoと、「EOS学園」や「キヤノンフォトサークル」などを運営するキヤノンマーケティングジャパンによる、コラボレーション撮影講習会イベントのレポート3回目。今回は、一眼レフの講習ストックフォト向けの写真の撮り方に関する講習の後に行われた撮影会、そして撮影された写真の講評会の様子をレポートする。

技術を学びつつ、楽しげに進行した撮影会

撮影会では参加者を4つのグループに分け、おじいちゃんと子供二人がモデルとなって食卓の風景を撮影するαスタジオ、女性モデル二人がキッチンで料理する様子を撮影するβスタジオ、各種食材やスパイス・ハーブなどの物撮りが行えるテラス、スタジオ内を自由に撮影したり、撮影した写真の印刷が行えるフリータイムを順番に体験する形式で進行した。

αスタジオでの撮影会

αスタジオでは、写真家の佐藤かな子氏が撮影の指導を担当。状況に合わせたカメラの設定指導やレフ板の当て方の実演などを行いながら、参加者たちの質問にも丁寧に答えていた。食卓に用意された料理は、会場となったSTUDIO 07のフードコーディネーターによる手料理で、個々の料理の見栄えや食卓に並んだときの色合いやバランスまで考慮されていたようだ。また、おじいちゃんと子供のふたりという組み合わせを思う存分撮影できる機会は滅多に無いということで、屋外ガーデンでモデルの撮影会に発展するグループもあった。

βスタジオでの撮影会

βスタジオでは、iStockphotoの松岡純平氏が撮影の指導を担当。キッチン付きのスタジオ内で女性モデルふたりが料理を作ったり、作った料理をテーブルで食べるシーンなどの撮影が行われた。松岡氏は、モデルに対して様々なポーズの要求や撮りたいシーンの演技指導を行い、その時々のシーンに合わせた撮影方法や注意点などを解説。真剣でありながら、モデルや参加者たちの笑いが絶えない現場となり、松岡氏は「現場の雰囲気が良いと、不思議とその時に撮影した写真はWebでの販売数も伸びる」と語っていた。

テラスで物撮りを行う参加者

テラスでの物撮りでは、被写体として用意された野菜や果物、穀物、小瓶に入ったスパイス、瓶詰めのピクルス、鉢植えのハーブ、そして食器や背景用の布地などを自由に撮影できた。指導担当が付かなかったため、思い思いの食材を自由な発想で並べ、ファインダーを覗いては食材を並べ替えたり、カメラの設定や構図を変更する参加者たち。窓の桟にリンゴをずらっと並べて撮影する人や、床に寝そべって食材を接写する人、スタジオのセットに食材を置いて構図を作り込む人など、感性やアイデアが錯綜する場となった。

フリータイムにスタジオ内の各所で思う存分撮影を楽しむ参加者たち

休憩時間も兼ねていたフリータイムでは、物撮りの時間以上に参加者たちの行動力が発揮された。他の撮影現場の見学したり、スタジオのセットや屋外ガーデンの鉢植えの撮影、休憩中の子供モデルのスナップ撮影、撮影した写真の印刷など、ほとんど休憩することなく動き回っていた。参加者たちに話を聞くと「こんなスタジオやモデルを使った撮影は滅多にできないから」、「借りたカメラをこの機会に思う存分使ってみたい」、「個人でこれだけの料理や食材を揃えるのは無理なので」とのこと。今回の撮影会を思う存分楽しんでいたようだ。

この日撮影された写真の印刷用にプリンタも用意された

印刷用として用意されたのは、キヤノンのインクジェットプリンタ「PIXUS MG6230」。フリータイムに印刷が行えなかった人のために、講評会を前に印刷が行える時間も設定され、パソコンを使わずにカメラとプリンタをケーブルで直結したダイレクトプリントの方法を、キヤノンMJのスタッフがレクチャーしていた。

全員の写真に評価が行われた講評会

撮影講習会イベントの最後は、この日に参加者が撮影した写真3点を印刷して貼り出し、全員の前で評価やアドバイスが行われた講評会。佐藤氏が貼り出された写真1枚1枚について、その写真の良い点と悪い点の解説、そして悪い点に関しては対処方法のアドバイスを行った。中には、どうやって撮影したのか佐藤さんにも分からず、撮影者自身による解説が行われた写真もあった。

講評会の様子

iStockphotoの松岡氏が、「印刷したりパソコンに取り込んだ時に、失敗した部分が見えてくることもある。それを次回の撮影に活かして欲しい」とコメントして、今回の撮影講習会イベントを締めくくった。

8時間という長丁場なイベントだったが、終止笑いの絶えない和やかな雰囲気で進行し、それぞれの参加者がファインダーを覗いている際は真剣で引き締まった表情を見せる。スタジオのスタッフも「こういう雰囲気の撮影会はいいよね」と語っていたほど、楽しく有意義なイベントとなったようだ。