文部科学省は4日、東京都世田谷区八幡山で高放射線量が検出された件について、専門業者により、敷地内の土壌を含むラジウム226の放射性物質をほぼ撤去するなどの作業が11月2日に行われたと同省Webサイトで公表した。

文部科学省では、11月1日午後、専門業者による地中の掘削を開始し、土壌の核種分析などを実施。同省からも職員2名を現場に派遣し、専門業者の作業に立ち会った。約30センチメートル深さの土壌の核種分析を行ったところ、ラジウム226が崩壊してできるビスマス214及び鉛214を検出。このため、同省では、「高放射線量の原因となる放射性同位元素の核種については、ラジウム226の可能性が高いと考えられる」としていた。同日の作業の最後に試薬ビンが地表から約40センチメートルの深さのところに存在することを確認した。

同省では11月2日、東京都世田谷区八幡山の現地調査において、専門業者が午前から作業を開始し、15時ごろからビンなどの除去作業を実施。

ビンは、持ち上げるとすぐに壊れてしまうような状態で、ビンの内側に茶褐色のかたまりがあった。このビンをビニール袋に入れて、それを約1センチメートル厚の鉛容器に入れた。

地中から掘り出されたガラス瓶(出典 : 文部科学省Webサイト)

同容器のふたのない状態で、直上の表面で約20ミリシーベルト毎時。直上1メートルで約250マイクロシーベルト毎時。ただし、同測定は放射線量の高い作業場所で行ったため、「放射線量の低い場所で行えば、放射線量はそれより少ない可能性がある」(文部科学省)。

ビンを取り除いた後、ビンの破片を含む周辺の土壌を容器に入れ、搬出。搬出をした後、約46センチメートル掘り下げた表面の放射線量は約25マイクロシーベルト毎時となったという。若干の汚染のある土壌は残っており、しゃへいなどの安全確保措置を講じ、2日の作業を終了した。

なお、敷地内及び敷地周辺を詳細に測定したところ、敷地内地表面で最大約12マイクロシーベルト毎時、敷地周辺の道路の地表面において、最大約2.0マイクロシーベルト毎時の場所があった。地表面の放射線量が高い場所については、土嚢を置くなどの安全確保措置を実施済みとしている。