Linuxディストリビューションの1つ「Ubuntu」をリリースする英Canonicalは、同OSをPCデスクトップだけではなく、タブレットやスマートフォン、スマートTVまで、さまざまなスクリーンサイズのデバイスへと拡大させていく計画を抱いている。同計画について語った、Canonical創業者Mark Shuttleworth氏へのインタビュー記事をZDNetが公開している。
同インタビューにおけるポイントは主に2つ。まず、現在同社はUbuntu 11.10をリリースしているが、次なるLTS (Long Term Support)のUbuntu 12.04では搭載された「Unity」が完成に近付き、これをデスクトップPCだけでなく、タブレットからスマートフォン、スマートTVまで、各種デバイスで使える共通UIとして、各メーカーに採用を訴えていくというものだ。Ubuntuはおよそ2年周期でのメジャーアップデートを行っており、LTSはそこで提供される安定バージョンにあたる。Microsoftが「Metro UI」をスマートフォンを含むすべてのWindowsファミリに適用しようとしているように、UbuntuもまたUnityを共通UIフレームワークとして活用しようとしている。
ポイントのもう1つは昨今の業界動静で、Shuttleworth氏はGoogleのMotorola買収をUbuntu拡大のチャンスと見ているようだ。同氏によれば、現在のUbuntuの主要な競合相手はAndroidであり、マーケット的にも直接競合する分野が多いという。だがGoogleがMotorolaを買収したことで関連メーカーはその動向に懐疑的になっており、代替となるOSプラットフォームを探し始めていると予測する。もしここにUbuntuが適切な形で提供されるのであれば、Androidの代替手段としてのUbuntuに注目が集まるだろうというのが同氏の予想だ。実際、webOSやMeeGoといったプラットフォームは当初の目的を果たせずにその役割を終えようとしており、有力な対抗手段が現時点でほとんど存在しない。確かに、可能性として"あり"なのだろう。
なお、Canonicalでは10月31日(米国時間)より米フロリダ州オーランドでUbuntu Developer Summitを実施しており、適時こうしたマルチプラットフォーム戦略に関するさまざまな情報が提供されるものと思われる。
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