内閣府の食品安全委員会は27日、厚生労働省から要請があった放射性物質の食品健康影響評価について、同委員会として、評価結果をとりまとめた。同委員会では、同日の食品安全委員会において評価書を確定し、厚生労働省に答申した。
評価結果の概要について食品安全委員会は、食品の健康影響評価として、現在の科学的知見に基づき、食品からの追加的な被曝について検討した結果、放射線による健康への影響が見出されるのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における追加の累積線量として、おおよそ100ミリシーベルト以上と判断した。
そのうち、小児の期間については、甲状腺がんや白血病といった点で感受性が成人より高い可能性があるとした。
また、100ミリシーベルト未満に健康影響について言及することは困難と判断した。
食品安全委員会によると、この値はあくまで食品のみから追加的な被曝を受けたことと前提としているが、この根拠となった科学的知見については、収集された文献に内部被曝のデータが極めて少なく評価を行うには十分でなかったため、食品健康影響評価に採用しうるものとして、外部被曝を含んだデータも検討したという。だが、「これは外部被曝の自体の評価をしたものではない」(同委員会)。
今回の評価は、同委員会が、国の健康影響評価機関として、「内部と外部とを合計して生涯100ミリシーベルトでリスクがある」と評価したものではなく、外部被曝などの食品以外からの被曝については、「しかるべき機関において適切な措置を講ずべきものと考えている」(同)としている。
また、食品安全委員会として、ICRP勧告などを受けてわが国で報じられてきた外部被曝への対応の変更や見直しを提起しているものではないという。