米Hewlett-Packard (HP)は10月27日 (現地時間)、パソコンやスマートフォンなどコンシューマ向け事業を統括するPersonal Systems Group (PSG)を、同社の一部門として維持すると発表した。同社は今年8月、2011年度第3四半期(5-7月期)決算報告において、パソコン事業のスピンオフ(分離・独立)の検討や、webOSを搭載したモバイル端末の開発を打ち切る方針を明らかにしていた。

9月22日に元eBay最高経営責任者(CEO)のMeg Whitman氏がHPのCEOに任命され、Leo Apotheker前CEOが進めていたPSGのスピンオフを含む大規模な事業再編計画を見直す流れが強まっていた。HPによると、データを重んじた戦略再考プロセスにおいて、サプライチェーン、ITや調達戦略など重要なオペレーションに組織的な統合が深く影響し、HPのソリューションポートフォリオやブランド価値にPSGが大きく貢献していることが明らかになったという。データは最終的に、分離を埋め合わせる負担の方が分離からの恩恵よりも大きいという結論を示した。

「優れた価値を提供しながら、コンシューマや中小ビジネス、エンタープライズと密な関係を築いていくHPの戦略を遂行する上でPSGはカギとなる部門である。PSGが大規模な事業体の一部として成長を生みだし、他のHPの事業のソリューションを加速させる存在になると、HP取締役会は確信している」(HP)