スマートフォンやタブレット端末が市場に普及した影響もあり、「外出先で高速無線通信を利用したい」という需要がここ数年、急激に高まっている。携帯電話業界ではこうした声に応えるように、ブロードバンド高速モバイル通信であるWiMAXや、次世代携帯電話の通信規格LTEに対応した端末の開発・発売が相次ぎ、データ通信カードやモバイルWi-Fiルータだけでなく、高速通信対応のスマートフォンも提供されている。

WiMAX通信に対応したスマートフォンとしては、KDDIが同社の3G網とUQコミュニケーションズが提供しているWiMAX通信に対応した端末を提供している。このWiMAXスマートフォンを利用すれば、下り最大40Mbps/上り最大10MbpsのWiMAX通信を利用することができる。

そこで本稿では、現在KDDIが提供しているWiMAX対応スマートフォンのラインアップと料金プランを簡単におさらいしていきたい。

WiMAX対応スマートフォンが続々ラインアップ

まず知っておきたいのはWiMAXに対応する端末の種類だが、本稿の執筆時点では5種類のスマートフォンが用意されている。まず、2011年4月に発売したWiMAX対応機種の 第1弾「HTC EVO WiMAX ISW11HT」(HTC製)だ。続いて、2011年秋冬モデルとして発表されたのが次ぎの4機種。ISW11HTと同シリーズで3D液晶を搭載した 「HTC EVO 3D ISW12HT」(HTC製)、KDDI初のMotorola製スマートフォン「MOTOROLA PHOTON ISW11M」(Motorola Mobility製)、防水機能も搭載したハイスペック端末「ARROWS Z ISW11F」(富士通東芝製)、厚さ8.7mmの薄型化に成功した「DIGNO ISW11K」(京セラ製)だ。

HTC EVO WiMAX ISW11HT

HTC EVO 3D ISW12HT

MOTOROLA PHOTON ISW11M

ARROWS Z ISW11F

DIGNO ISW11K

各機種のスペックや対応サービスはマイコミジャーナルの別稿を確認して頂きたい。

KDDI、WiMAX対応スマートフォン「htc EVO WiMAX ISW11HT」発表 (2011/04/04)
KDDI、3D液晶搭載のWiMAX端末「HTC EVO 3D ISW12HT」発表 (2011/09/26)
KDDI、テザリング対応のWiMAX端末「MOTOROLA PHOTON ISW11M」発表 (2011/09/26)
KDDI、約13メガカメラ搭載のWiMAX端末「ARROWS Z ISW11F」 (2011/09/26)
KDDI、厚さ8.7mmのWiMAX端末「DIGNO ISW11K」 - ワンセグ/おサイフ対応 (2011/09/26)

HTC EVO WiMAX ISW11HT、HTC EVO 3D ISW12HT、MOTOROLA PHOTON ISW11Mの3機種は既に発売しており、au取り扱い店舗で契約することができる。残りの2機種が年末までに発売される予定で、ARROWS Z ISW11Fが11月下旬以降、DIGNO ISW11Kが12月上旬以降に提供される。

WiMAX対応スマートフォン5機種は、いずれも複数のWi-Fi対応機器をテザリング接続できるモデルだ。つまり端末をWi-Fiルータ代わりに使うことで、手持ちのノートPC、タブレット機、携帯ゲーム機などをWiMAX通信網に繋ぐことが可能になる。なおテザリング機能の利用についてはHTC EVO WiMAX ISW11HTのレビュー記事で詳しく紹介されているので、ご確認頂きたい。

WiMAX対応スマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」を速攻テスト (2011/04/20)

利用プランを確認

WiMAX対応スマートフォンを利用するには、従来のスマートフォン向け料金プラン、パケット定額プランに加入した上で、WiMAX利用のための料金プラン「+WiMAX」に加入する必要がある。

+WiMAXの提供イメージ

+WiMAXは、月額525円の利用料でWiMAX通信が使い放題となるプランで、WiMAX通信を利用しなかった月には月額利用料を支払う必要がない、というのが特徴。加えて、2012年1月利用分まで月額料金を無料にするキャンペーンも実施されている。

2011年10月から12年1月利用分まで,月額料金が無料に

さて、WiMAX対応スマートフォンを利用する際の利用プランの組み合わせだが、通話もそれなりに利用するユーザーであれば新料金プラン「プランZシンプル」(月額980円)が最適だ。そこにISフラット(月額5,460円)とIS NET(月額315円)、「+WiMAX」(月額525円)が加算されるので、トータルで月額7,280円という計算になる。

上記の料金に加えて毎月、端末の割賦料金 / 通話代 / 「安心ケータイサポート」などに代表されるオプション料金が加わるユーザーもいるだろう。ただそれら諸々を加味しても、使い方によっては月々1万円前後で運用できるということになる。スマートフォンだけでなく、手持ちのWi-Fi対応機器も高速インターネットに接続できて月々この料金で済むということに魅力を感じるユーザーは多いのではないだろうか。WiMAXの利用可能エリアも、国政令指定都市・特別区の実人口カバー率95%超を実現している。エリアの詳細はKDDIのWebサイトで確認可能だ。

これからスマートフォンの購入を考えている方は、WiMAX対応スマートフォンも選択肢に入れてみてはいかがだろうか?