ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社は、10日、「瞳にまつわる俗説の真偽と正しい瞳ケア」について眼科専門医(あまきクリニック院長:味木幸)の解説を交えて発表した。

あまきクリニック院長:味木幸

瞳の俗説「ウソ・ホント」。目薬さしたら目をパチパチは「ウソ」

瞳にまつわる俗説は、全11項目。そのうち6項目がウソという結果になっている。それぞれの真偽と専門医の解説を合わせて紹介する。

●結果「ウソ」という俗説

・黒目の大きさは誰でも同じサイズ

→ウソ。成人した日本人の黒目は直径12(16)、眼球は500円玉くらいが平均的だが、黒目の大きさも眼球の大きさも個人差がある。

・目薬さしたら目をパチパチまばたきさせると良い

→ウソ。目薬が外に流れてしまうか、鼻からのどに流れてしまい、効果が薄れてしまいます。点眼したらそのまましばらくまぶたを閉じ、鼻に目薬が入っていかないように涙嚢(るいのう:鼻の付け根あたり)を押さえると良い。

・目薬は冷蔵庫に入れておくと長持ちする

→ウソ。目薬は基本的に高温多湿と直射日光を避けての「室温保存」するものと「冷蔵保存」する目薬があるので、説明書の保管上の注意に従う。また、一度使用した目薬は冷蔵庫に入れても、細菌が繁殖していたり、成分が変質する恐れがあるので、使用開始後は冷蔵保存していても速やかに使いきる。

・充血は放置しておいても自然に治る

→ウソ。充血を放置すると治りにくくなり、慢性化する。さらに、視力の低下や肩こり、片頭痛などの症状が現れる場合もあるので、早めに対処が必要。

・まぶたが一重か二重かは、後天的にホルモンバランスによって変化する

→ウソ。遺伝による優性の法則で一重か二重が決定しますが、後天的に加齢によるホルモンバランスによっての変化はない。一重の人はまぶたの裏の脂肪が多いことがあり、まぶたの皮膚はやわらかいため、その後の目や目周りの運動によって脂肪を落とすことができれば、二重になる可能性もある。そのほか、年齢的変化や眼瞼(がんけん)下垂によって、一重や二重、三重、またはへこみができることもある。

・目周りの乾燥はドライアイを引き起こす

→ウソ。ドライアイは乾燥によって瞳の表面を保護している涙の量が減ってしまうことが原因で引き起こされる。目周りの乾燥が直接ドライアイを引き起こすことはないが、目周りが乾燥している時は、瞳も乾燥していると言える。

●結果「ホント」という俗説

・ストレスや栄養の偏りで充血しやすくなる

→ホント。目も体の一部なので、体同様にストレスや栄養の偏りも一因となって眼精疲労が促進され、充血しやすくなる。また、まぶたがピクピクけいれんするのは、眼精疲労や、身体や心の疲れのサイン。病気の場合もあるので、けいれんが続く場合は眼科を受診することをオススメする。

・泣いた後の赤目は冷やすと治る

→ホント。泣いた後の充血や腫れは、涙を出すために血流が集まったことが原因。血管を収縮させる効果のある目薬の活用や、ぬらしたタオルでまぶたを冷やす。

・目も老化によって白目が黄ばむ

→ホント。老化は老眼だけでなく白目の見た目にも現れる。特に白目の変化を感じやすいのは30代からで、紫外線や疲労、ストレス、栄養の偏り、喫煙等の複合的な要因で結膜に老化物が沈着したり、白目にメラニン色素が増えてシミができたり、疲労を回復しようと毛細血管が増えて充血しやすくなったりする。

・まつ毛メイクや、つけまつ毛の装着は目を痛める原因になる

→ホント。まつ毛の根元のそばにある「マイボーム腺開口部」という穴から、通常は涙の蒸発を防ぐ「油状の分泌物」が出てくる。リキッド系のメイクなどをしていると、そのメイクの成分が油状の分泌物と混ざり、目に入ってしまうことが原因でトラブルになる場合もある。また、メイクの成分が穴をふさいで「油状の分泌物」が出なくなってしまうと、涙液の蒸発を防ぐことができないために、ドライアイを引き起こす原因にもなる。

・白目も肌同様に日焼けをするとシミができる

→ホント。紫外線により肌が日焼けしている場合、瞳も日焼けしていることが多く、時間がたってから炎症をおこし、シミをつくる原因になることがある。紫外線の影響が強くなると、目の充血やドライアイ、白内障のリスクが高まる原因になる。白目のシミは発症すると、完治させることができない場合が多いので、予防やケアをしたい。

同社のホームページには、充血、疲れ目・かすみなど「瞳の悩み別」に対策・改善法が記載されている。