文部科学省は23日、千葉県柏市内で高い空間線量率が確認された件に関する現地調査の結果を発表した。

21日、柏市から文部科学省に、市有地の中で高い放射線量が検出された旨の連絡があり、これを受けて文部科学省は柏市に対し、縄張りをするなどの立入制限等の安全確保措置を講じると共に当該物質の核種分析を行うよう要請。その後の柏市の分析結果により、土壌中から高濃度の放射性セシウムが検出され、23日、文部科学省職員及び日本原子力研究開発機構の専門家を現地に派遣。柏市及び東葛地区放射線量対策協議会の専門家と連携して現地調査を行った。

その結果、地表面から高さ1m最大毎時2.0マイクロシーベルト、地表面から高さ50cmで最大毎時4.5マイクロシーベルト、地表面で最大毎時15マイクロシーベルトを測定。周辺の平均的な空間線量率は、地表面から高さ1mで毎時0.3マイクロシーベルトで、地表面から高さ1mで周辺より毎時1マイクロシーベルト以上高い地点があることを確認した。

空間線量率の高い地点脇の側溝(深さ約30cm)に約50cm幅の破損が発見され、この箇所が半減期約2年の放射性セシウム134が確認された地点に近いことから、東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射性セシウムを含んだ雨水が側溝の破損口から漏れ込み、当該地点で放射性セシウムが土壌に濃縮され、蓄積されたと推定した。

調査終了後、砂を被せてビニールシートで覆う措置をしたところ、地表面から高さ1mで最大毎時0.64マイクロシーベルトとなった。現地調査等を踏まえ、柏市に対して立入禁止等の安全確保措置を引き続き講じるよう要請した。