ゲッティ イメージズ ジャパンが、クリエイティブ作品(雑誌広告)を募集している「~I am Here.~ 第二回 ゲッティ イメージズ学生広告コンテスト」。本レポートでは、本コンテストの審査員たちのコメントを紹介していく。
同コンテストは、学生として考える、東日本大震災を風化させないためのメッセージを込めた雑誌広告を募集。具体的には、クリエイティブ・デザイン系雑誌に2012年1月~3月ごろに掲載されることを前提に、ゲッティ イメージズの写真を1点以上使用(報道写真は不可)して、「復興」のために取れるアクションを促す内容をビジュアルとコピーで表現した作品が対象となる。提出物は、250mm×210mmの雑誌広告と制作者や内容説明を記述したA3サイズの規定フォーマット、自署した応募規約同意書。
応募資格は、大学や専門学校などに通っている学生で、5名までのグループによる作品も受け付ける。ただし、11月25日に内田洋行ショールーム(東京都中央区)が会場となる最終審査会でプレゼンテーションが行える人に限られる。そのほか、応募方法の詳細や規定フォーマットのダウンロード、注意事項等は、同コンテストのWebサイトまで。
審査員からのコメント
そして、締切り日となる10月31日が迫ったことを受け、審査員からのコメントを紹介していく。審査員には、ゲッティ イメージズクリエイティブチーム、デザイン系メディア制作者、広告代理店クリエイティブ・ディレクターなど数名を予定。
今回コメントを紹介するのは、アイティメディア「@IT デザインハック」担当の河内氏、博報堂DYメディアパートナーズのクリエイティブ・ディレクター河野氏、マイナビ『Web Designing』編集長馬場氏の3名で、それぞれのコメントは以下の通り。
アイティメディア 河内氏
・応募作品を制作する上で、一番大切なポイントは?
「作品にどのような震災からのメッセージが込められているか」
・どんな作品が来ることを期待していますか。
「怒り、恐れ、悲しみ、どんな感情でもいいのですが、冷静な視点からの作品が好ましい」
・"復興×デザイン"ということで、デザインの観点から気をつけてほしいことは何ですか。
「デザインを表現ととらえるのなら、どんなデザインでもそこにメッセージが込められていれば美しい」博報堂DYメディアパートナーズ 河野氏
・応募作品を制作する上で、一番大切なポイントは?
「常に一番大切なポイントは、オリエン・シートにあると考えています。"学生として考える""東日本大震災を風化させない""メッセージを込めた雑誌広告""目にした人の意識に働きかける""震災復興支援のメッセージ、注意喚起、その他アクションを想起させるもの""クリエイティブとしての完成度(ビジュアルおよびコピー)"…。この中でもさらに重要な物、自分にしかできない事、見た人の心に届く物が選別できれば、もう作品はできたも同然ですね」
・どんな作品が来ることを期待していますか。
「この震災は本当に大変な事でしたから、私達全員が自分の事のように考えていると思います。そういう意味では不正解は無いわけですね。だから、正解を超えて、審査員が支持したい! と思える物を送ってくれたら、その心が届いたら、最高ですね」
・実際に広告を制作する立場から、どういった視点で今回の作品を審査していきたいか。またどういった点が難しい部分と考えているか。
「コンセプトやアイデアは、皆よく考えてくれると思いますが、広告は、見てくれて、心に届いてナンボです。メディアが雑誌であり、その原稿の完成度は、何を狙い、どういうレベルであるべきなのか、見る人(今回は審査員)の事を真剣に考えて仕上げてください」-
マイナビ 馬場氏
・応募作品を制作する上で、一番大切なポイントは?
「まずは、いつ、誰に、どういうことを伝えるためのクリエイティブなのかという、前提条件をしっかりと理解した上で考えられているかということです。震災から1年近く経つ未来とクリエイティブ系雑誌の読者像を想定し、彼らにどういう表現をしたら、復興のためのアクションを取ってもらえるのか。また、プロの写真家が撮ったイメージを使うことが前提となるため、印象的な写真に 引っ張られた作品になりがちですが、この、コンテストの"テーマ"として書かれているたった2行の内容をいかに、新鮮なアイデアで形にしているかを、見たいと思います」
・"復興×デザイン"ということで、デザインの観点から気をつけてほしいことは何ですか。
「強いていえば、あまりデザインという言葉に惑わされないことでしょうか。アクションを起こさせるために最適な表現を考えることが大切です。『自分がこの広告を見たら、はたして"自分でできることってなんだろう"と考えたり、"ちょっとやってみよう"という気になるか』と、繰り返し想像してみてはいかがでしょうか。」