調査会社の米NPD Groupは10月11日(現地時間)、未成年層におけるビデオゲームのプレイ動向に関する最新調査報告を行った。それによれば、前回調査を行った2009年から、2-17歳までの年齢層における人口増加が1.54%だったのに対し、同年齢層のゲームプレイ人口の増加率は12.68%と大幅に上回っていたという。この背景には、昨今のスマートフォンやタブレットの普及でゲームプレイ人口が一気に拡大したことにあると分析している。

この調査は今年8月上旬に、米国在住の4,000人以上を対象にオンラインアンケート形式で行われた。NPDによれば、2-17歳の対象者のうち91%がゲームプレイ層であり、その数は全米でおよそ6,400万人程度に上ると推測している。2009年との比較では、その割合は約9%ほど拡大した。

この範囲の全年齢で大幅なゲームプレイ層の割合が増加していたものの、特に2-5歳の層でそれが顕著だったようだ。先述のとおり、2-17歳全体ではその割合の増加が9%だったのに対し、この層では17%の拡大がみられる。またこれ以外で大きな成長がみられたのが15-17歳のいわゆるティンエイジャー層、および女子。こうした3つのセグメントでの成長が目立っている。NPD GroupアナリストのAnita Frazier氏によれば、2011年8月までの過去1年のデータで、米国におけるゲームソフトの新規売上の44%がこの未成年層によって構成されており、ゲーム業界において非常に重要なユーザーだという。

またゲームデバイスの変化も興味深い。特にモバイルデバイスやPC上でゲームを遊ぶユーザーが増加しており、例えば2009年との比較でモバイルデバイス上でゲームをプレイするという人の割合は8%から38%まで急増している。このモバイルデバイスとは、いわゆるiOSやAndroidなど、昨今のモバイルOSを搭載したデバイス群のことだ。一方で従来型のポータブルゲーム端末でプレイする人の割合も38%から45%まで伸びているが、その増加率は幾分か少なくなる。NPDの分析では、2-17歳の層でゲーム人口が急増している原因の一端はこうしたスマートフォンやタブレットのようなデバイスに牽引されている面が大きく、また同デバイス上で動作する無料または有料のアプリが大量に出回っていることが理由だという。だがこうしたモバイルアプリのゲーム自体に費やす金額は少ないようで、過去3ヶ月間にパッケージ型ゲームに費やした金額は、同期間にモバイルアプリに投入した金額の5倍以上に上るという。