首都高速道路は11日、中央環状品川線大橋連結路(東京都目黒区)の下層シールドトンネルとシールドマシンを公開した。
中央環状品川線(大井JCT~大橋JCT)は、中央環状線の南側部分を形成する道路として建設が進められ、ほぼ全線でトンネル構造を採用している。さらに東急田園都市線池尻大橋駅の東側では、4層ループ構造の大橋JCTも建設中。中央環状品川線の本線トンネルの分合流部より、大橋連結路と大橋JCTを経由し、玉川通り上の首都高速3号渋谷線と接続される。
大橋連結路については、本線トンネルと同様、シールド工法によるトンネルが構築され、下層トンネル480m、上層トンネル500mの二層構造に。
下層トンネルは今年6月に、本線トンネルとの分合流部まで到達しており、外径9.7mのトンネル内を見学できた。今後は本線トンネルを切り開いて拡幅し、大橋連結路と一体化する工事が行われるとのこと。
また、山手通りの支線に設置された「防音ハウス」より、上層トンネルの工事で使用されているシールドマシンも公開された。
今回の工事で使用されるシールドマシンは、内胴(駆動部)と外胴の二重構造となっており、下層シールドを掘進した後、内胴が引き抜かれて上層へ転用される。「DSR工法」と呼ばれるもので、シールドマシンを2機製作する必要がなくなるため、工費の縮減にも寄与しているという。
大橋連結路を含む中央環状品川線の完成は、2013年度を予定している。
なお、大橋JCT周辺では2棟の再開発ビルが建設中のほか、2012年のまち開きに向け、環境に配慮した「大橋"グリーン"ジャンクション」をめざす。全国初の試みとして、目黒区との連携でジャンクションの屋上に、「目黒天空の庭」がコンセプトの公園を整備し、かつての目黒川周辺の風景をモデルとした自然再生空間も創出。ジャンクションの壁面も、景観や周辺環境との調和を意識したコロッセオ風のデザインになるとのこと。