10月5日(米国時間)に訃報が伝えられた米Apple共同創業者のSteve Jobs氏だが、同氏の伝記の映画化権取得に向けてソニーが関係者との交渉を進めているという話が進んでいる。関係者によれば、同プロジェクトでソニーは権利獲得のため100万ドル相当の金額を提示しているという。米Associated Press (AP通信)が8日に報じている

権利取得に向けた最終交渉を行っているのはソニーの映画子会社Sony Pictures Entertainmentで、映画化権取得を目指している原作はWalter Isaacson氏執筆の「Steve Jobs: A Biography」という書籍(Simon & Schuster刊)(Amazon.comの関連リンク)。この伝記はJobs氏本人が執筆に協力した唯一の公式伝記と呼べるもので、執筆者のIsaacson氏はCNN会長やTIMEのマネージングエディターも務めたメディア界の著名人物であり、最近では物理学者のアルバート・アインシュタインの伝記「Einstein: His Life and Universe」ことなどで知られている。「Steve Jobs」はもともと2011年11月中旬のクリスマス商戦前後を狙って出版される予定だったが、同氏の訃報もあり、急遽10月24日に発売日が前倒しされた経緯がある。日本でも同書籍の出版権を獲得した講談社が前倒し発売を発表しており、上下巻のうち上巻を10月24日(つまり時差の関係で米国より先にリリースされる)、下巻を11月1日に発売する予定だという。

なお、ソニー側ではSPEの子会社であるComumbia Picturesが、米Facebook創業者兼CEOであるMark Zuckerberg氏の伝記をベースにした「The Social Network」を映画化したほか、マイケル・ジャクソンの「This Is IT」など、著名人にフォーカスしたノンフィクション映画で成功している。もし「Steve Jobs」の獲得に成功すれば、キャストしだいではあるが、ほぼ確実にヒットが見込めることだろう。なお「Steve Jobs」はハードカバーの書籍と電子書籍版ともに、Amazon.comやiTunes Storeでの売上ランキングトップを獲得している。