米国で開催されたイベントにてようやく公開された次世代iPhone、「iPhone 4S」。予約開始が10月7日、発売が10月14日ということで、購入するかどうかにさっそく頭を悩ませている方も少なくないはず。日本で開催されたプレスイベントの会場で短時間ながら「iPhone 4S」をテストすることができたので、写真を中心に「iPhone 4S」がどんな製品なのかをお届けしよう。なお、会場があまり撮影環境に恵まれず、やや見づらい写真になってしまっている点はご容赦いただきたい。
外観は現行のiPhone 4と"ほぼ"同じ
とはいえ今回のiPhone 4S、その外観は現行機種である「iPhone 4」とほぼ同じ。側面を覆う金属部の継ぎ目などにわずかな違いがあるものの、外形寸法やボタン・コネクタ類の位置はほぼ同じ。iPhone 4向けに販売されているアクセサリもそのまま流用できるものが少なくなさそうだ。なお今回、iPhone 4と比較しての撮影については許可をもらえなかったので、基本的にiPhone 4単体の写真でのご紹介となる。もしiPhone 4がお手元にあれば、写真と見比べてみていただきたい。
さて、上面と下面では、iPhone 4では上面にあった金属部の継ぎ目の位置がiPhone 4Sでは移動しており、ここにはない。この継ぎ目位置の変更について尋ねてみたところ、「iPhone 4Sでアンテナが改良されたことに伴う変更だと思うが、詳細は不明」とのことだった。iPhone 4Sでは3G通信の高速化とGSM/CDMAへの両対応のためにアンテナに改良を行っていることがイベントのキーノートスピーチで語られていたが、その影響ということのようだ。
右側面は、iPhone 4では1カ所だった金属部の継ぎ目が2カ所になった。左側面も同様に継ぎ目が2カ所に増えている。アクセサリ類を流用する際に問題となるとしたらこの点で、この増えた継ぎ目の影響か、コントロール・ボタンの位置が微妙にiPhone 4とは違っているのだ。この点の位置合わせがシビアなアクセサリだと、iPhone 4Sにはそのまま流用できないものがあるかもしれない。
カラーは2色。初の"KDDI版iPhone"は見られず
カラーはiPhone 4同様、ブラックとホワイトの2色。iPhone 4のときはホワイトモデルの発売が大幅に遅れてしまったが、今回はそんなことはなさそうだ。ただし出荷数量の割合は不明なので、どちらかの色が入手困難になる可能性はある。
今回、イベントの場に用意されていたのはすべてソフトバンクの端末とのこと。「SIMロックがかかっているので設定画面からキャリアを選択することはない」との説明だった。このあたりは、KDDIの端末をテストできるようになったら改めて確認してみたい。また、テザリングの可否について尋ねたところ、「基本的にはキャリア側の判断」とのことで、これまでどおりの対応となる可能性が高そうだ。
強化されたカメラの実力は歴然
キーノートスピーチ中で強調されていた音声認識による応答機能「Siri」については、ベータ版であること、日本語には非対応であることなどから、日本では積極的に訴求することはない模様。試用した端末では設定でオフになっており、設定をオンにして試してみようとしたがうまく起動することができなかった。
カメラの強化については、実際にiPhone 4Sで撮影した動画が試用機に保存されており、それでしっかり確認することができた。被写界深度の深さなど、たしかに従来機と一線を画する性能といえそうだった。また、スリープモードからファーストショットまでの時間、連続撮影の間隔が短くなっている点については、試してみれば明らかにわかるという感じではっきり差が出ていた。
このほか、カード作成アプリやリマインダー、メッセージ、Safariの強化などiOS 5の新機能、そしてiCloudをiPhone 4Sでは利用できることになる。これらはiPhone 4などをアップデートしても利用することができるわけだが、快適に利用するにはiPhone 4SのA5プロセッサによる高いパフォーマンスが必要となるところも少なくはないはずだ。
今回のiPhone 4Sの強化点は、A5チップによるパフォーマンスの改善や通信速度の向上など、写真ではわかりにくいものも多い。そういったところは今後、動画や実機レビューなどで詳細にお伝えしたいと思うので、ご期待いただきたい。