3日にスタートしたABCテレビの報道新番組『キャスト』(毎週月曜~金曜 16:50~18:54)が生放送終了後に会見を行い、メインキャスターで同局の伊藤史隆アナウンサー、レギュラーコメンテーターの元経済産業省官僚・古賀茂明氏、関西学院大学准教授・鈴木謙介氏が出席した。
左から、伊藤史隆アナウンサー、古賀茂明氏、鈴木謙介氏 拡大画像を見る |
伊藤アナは長年スポーツ実況を担当し、高校野球では2006年の「駒大苫小牧 対 早稲田実業」の延長引き分け再試合となった決勝戦など、数々の伝説の試合を伝えてきたベテランアナウンサー。スポーツ取材で培ったノウハウを生かし、ニュースキャスターに初挑戦する。「"自然にやる"ことを大事にしたい」と語った伊藤アナは「これまで僕がニュースを見ていて思っていたのは"喜怒哀楽"なかなか出てこないということ。記者も泣きながら取材をしたり、怒りを感じたりすることもある。もちろん、公平公正は必要ですが、記者がしっかりと取材をして、自然に持った根拠のある喜怒哀楽を含めてニュースを伝えていきたい」と意気込みを話した。
先月26日に経産省を退職したばかりの"改革派"元官僚・古賀氏は『キャスト』が初レギュラー。「テレビを通じて関西の方に語りかけるチャンネルを持たせていただけたのはありがたい」とあいさつした古賀氏は「大阪に来てみてわかるのは、狭い日本の中でも、地域によって中心になるニュースが違うということ。たとえば、今日公表された東京電力の報告書は大阪ではあまり報じられていないし、橋下大阪府知事の改革は東京では放送されていないんですね。私が大阪で自分の考えをお伝えすると同時に、大阪の情報を東京に持ち帰って発信していきたい」と抱負を語った。
気鋭の若手社会学者・鈴木氏はスタジオでコメントするのみならず、取材にも積極的に行っていくという。「"縁"をキーワードに取材をさせていただきたい」と展望を語った鈴木氏は「今、日本社会では"絆"がブームで、家族や近しい人との関係を重視していこうという傾向が強い。しかし、むしろ大事なのは"袖すり合うも多生の縁"といった、見知らぬ人に声をかけたり、手助けをしたりといったことで、東日本大震災でもそのような事例が多く見られました。"絆"だけはなく"縁"が大切な社会をわかりやすく伝えいきたい」と意欲を見せていた。