俳優の阿部寛、女優のミムラらが1日、東京・新宿バルト9で行われた映画『天国からのエール』初日舞台あいさつに出席した。
左から、桜庭ななみ、阿部寛、ミムラ 拡大画像を見る |
『天国からのエール』は、沖縄県・本部町にある実在の音楽スタジオ「あじさい音楽村」の創設者、故・仲宗根陽さんと若者たちの実話を映画化。弁当屋「あじさい弁当」を営む大城陽は、弁当を買いに来る高校生たちがバンドの練習をする場所がないことを知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることに。「このスタジオと機材、自由に使っていい。お金はいらない。ただ条件がある。あいさつをすること、赤点は絶対取らないこと―」という陽を、高校生たちは"ニイニイ"と呼び慕うが、ある日、陽が病に倒れて――というストーリーで、陽を阿部寛が演じている。
初日舞台あいさつには、阿部寛、ミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平のメインキャストと熊澤誓人監督が出席し、阿部は「『あじさい音楽村』では、今も多くの子たちが夢に向かって頑張っている。ちょっと大人が背中を押してあげることで、彼らが一歩進めることもある。このような輪が、全国に広がってくれることを願っています」とあいさつ。陽の妻・美智子を演じたミムラは「今回、本当にこの作品を色んな人に観ていただくのを楽しみにしてました」と喜んだ。また、劇中でハイドランジアというバンドを組んでいた桜庭、矢野、森崎、野村の4人。「陽さんは、夢を追いかけることの自信になる存在です。この作品に参加できてよかった」(桜庭)、「阿部さんやミムラさんに支えられて頑張ることができた」(矢野)と話すと、阿部は「大人になったなあ」と感慨深げだった。
舞台あいさつには、故・仲宗根陽さんの夫人・仲宗根美幸さんがゲストで登場し、「撮影中は阿部さんの姿が何度も主人の姿と重なって、涙があふれました。阿部さんは何度も『奥さんこれはどう思われますか?』とセリフも納得いくまで話し合っていて…。主人も天国できっと喜んでいると思います。本当にありがとう、一生の宝物です」と涙ながらに語った。阿部は「奥さんにお会いして仲宗根さんを感じ、しっかり演じなきゃと思いました。仲宗根さんの遺志を継いで、高校生たちが6時半くらいから弁当作りの手伝いをしてるんです。本当に天国からエールを送ってくれていると思います」と語り、最後に「この映画を観て、それぞれ何か心にいいものを持ち帰っていただければ」とPRした。