中国・北京で2011年9月26日から30日まで、中国最大の通信関連イベント「PT/EXPO COMM China 2011(中国国際情報通信展覧会)」が開催された。台湾のHTCは中国向けスマートフォン新製品としてソーシャルサービスに特化した機種やNFC搭載端末を展示した。
Weiboなどソーシャル対応スマートフォン
中国向けにカスタマイズされたソーシャルスマートフォンの新製品は「HTC微客 C510e」と「HTC ChaCha A810e」の2機種。どちらも海外でFacebook対応スマートフォンとして販売されている「HTC Salsa」「HTC ChaCha」を中国国内向けにしたもの。両端末の特徴であるFacebookへのワンタッチアクセスを可能にする「F」ボタンが、それぞれ別のものになっている。どちらも通信方式はW-CDMA/GSMに対応、OSはAndroid 2.3。
HTC微客 C510eは中国の大手ポータル&ソーシャルサービスを手がけるSina(新浪)と提携し、同社のマイクロブログサービス「Weibo(新浪微博)」の利用を容易にしたスマートフォン。ディスプレイの下のボタンはSinaのロゴである目玉のマークに変わっており、このボタンからWeiboをワンタッチで起動できるほか、写真撮影後にこのボタンを押せばすぐにWeiboへ投稿ができるなど、Weiboの利用に特化している。中国では9月から発売が始まっているとのこと。
またHTC ChaCha A810eは「QQ」など中国でインスタントメッセージやソーシャルサービスを展開しているTensent(騰訊)と提携した製品。こちらはディスプレイ下のボタンが同社のサービスマスコットであるペンギンのアイコンになっている。このボタンから同社のマイクロブログ「騰訊微博」などが簡単に利用可能で、こちらもソーシャルサービスに特化したスマートフォンである。発売は9月下旬から10月上旬の予定とのこと。
UnionPayと連携したNFCスマートフォン
また中国の大手オンライン決済企業、UnionPay(中国銀聯)と提携したNFC搭載スマートフォンの展示も行っていた。海外で販売中の「HTC Incredible」をベースとしており、中国での製品名はその"Incredible"の意味を翻訳した「HTC 京艶 S715e」となる(「京」の字はこざと編がつく)。NFCのアンテナは電池カバーの内側に貼り付けられており、決済はマイクロSDカードを経由して行われるとのこと。9月末から中国国内で販売される。
なお中国では各通信事業者がSIMカードを利用した非接触型ICカードの実用化を進めているが、UnionPayはマイクロSDカードを使うことで、事業者に依存しない決済システムの開発を進めているとのこと。
また他には中国で発売中の最新製品の展示も行われていた。「HTC 縦横 S610d」はアメリカのVerizonなどが販売している「HTC Merge」の中国向け。CDMA2000/W-CDMA/GSMに対応しており全世界での利用が可能。名称の「縦横」は、まさにそれを表している。そして「HTC 霊感 Z710e」は海外モデルの「HTC Sensation」の中国向け版。W-CDMA/GSMに対応する。この他に専用ペンを使って画面に書き込みのできるタブレット「HTC Flyer」も展示するなど、ブース内はハイエンドのスマートフォン製品で埋め尽くされており、終始来訪客で賑わっていた。