「節約節約ばっかりじゃ、つまらない、息苦しくなる、人生の楽しみがなくなる…」と思われる方もいるかもしれませんが、私は結婚5年で、楽しみながら1,000万円を貯めました。

夫と結婚したのは、5年前の秋でした。双方の親からもらった結婚祝いの160万円と、私がOL時代に貯めた100万円を合わせた260万円は、結婚式と新婚旅行に消えました。また、夫は結婚するまで10年も働いていたのに、貯金は全くありませんでした。結婚後の生活と貯金は、「自分でしっかり管理していかないと」と覚悟し、"貯金ゼロ"から新婚生活が始まりました。

家計の各種費用を別々に考えられる方も多いかもしれませんが、私は、各支出のバランスを見て、包括的に考えるようにしています。特に、費用を考える際、「いい住まいを選べるかどうか」が、楽に節約できるかどうかの一番大事な要素になると思っています。

暮らしやすい住宅環境を選び、生活の各種費用を抑える

結婚する前は、夫は都心の駅近くの賃貸マンションに住んでいました。ワンルームなのに家賃は9.1万円で、給料の3分の1を占めていました。近所には、スーパーが高級スーパー1つしかなく、食費などの出費がとても高い状況にありました。

私は夫と結婚してすぐ、東京都の多摩地区北部にある、駅から徒歩15分のマンションに住み始めました。このマンションは都心から電車で20分、2DKで家賃6万5,000円でした。

この家賃の水準は、場所的に見ると一見普通に思えますが、私は「節約と貯金」を意識していたので、このマンションを見つけるために、頭を使いました。私の部屋探しはまず、賃貸物件をネットなどで検索する前に、興味のある沿線と駅のある街をとことん調べることから始めるのです。

スーパーやリサイクルショップ、図書館や児童館、安い八百屋さんや病院、学校や公園、保育園や幼稚園、市役所の助成制度など、生活にかかわるすべての情報を詳しく調べた上で住みたいエリアを決め、そのエリアの中で賃貸物件を探すのです。

いい住宅環境を選んだため、周りにも安いお店が多く、食費や日用品の費用も自然に抑えることができました。子育てにおいても、近くの無料な施設を気軽によく利用でき、お金を使わずにすみます。児童館や公園・図書館などを頻繁に利用していたため、仲良くなったママ友も増え、子供服のお下がりやおもちゃなどもたくさんもらうこともでき、被服などの費用も抑えられました。

また、徒歩圏に何でもそろっているので車は不要、車に関連する費用は全くありませんでした。さらに、結婚する前にジムを通っていた夫は、引越し後は通勤のため、家から最寄り駅まで往復で1日少なくても30分歩くことになり、ジムに通う必要もなくなりました。

健康面から考えると、車がないため、自然と日常生活の中で運動の量が増え、将来的に生活習慣病の可能性が減り、医療費も少しずつ減っていきました。

住宅の質は妥協せず、長く住める家で引っ越し費用も節約

住環境の良さを追求するのと同時に大切なことは、住宅の質について妥協しないことです。住み心地がよければ、引っ越しの回数が減り、結果的に大きな節約となるからです。

まず、断熱性が高い住宅を選ぶと、冬と夏に使う電気代が少なくなり、節約できます。遮音性も、引っ越さずに長く住めるかの大事な要素です。夫の仕事による疲れを癒すためには、家の中でプライバシーが守られた生活がおくれるかが重要です。また、子供が生まれて生活音が増えても、遮音性が高ければ、子供もストレスがたまらず、近所とのトラブルの可能性も少なくなります。

さらに、耐震性や耐火性のいい住宅は、火災保険なども安いので、保険の節約にもつながります。

"動かざるお金"は、山の如し

5年で1000万円貯金できたのは、もちろん節約の力も大きかったと思いますが、その前提になるのが、夫が働いて、収入を確保していたことです。

もう一つの大きな貯金源は、ボーナスです。ボーナスは、"動かざるお金"にしています。この5年間、不況で減りながらも、合わせて330万円の賞与がありました。そのうち、約30万円は帰省に使いましたが、残りの300万円は手をつけずに貯金しました。

もう一つの"動かざるお金"は、児童手当とこども手当です。計72万円のこども手当も全額貯金しました。

また、結婚直後から、私が妊娠3カ月になるまで半年働いたので、退職金を含め、130万円の収入がありました。このお金も、"動かざるお金"として貯金しました。

さらに、子育てしながらの私の趣味は、ネットで懸賞に応募することでした。毎週2、3回もずっとやり続けてきましたが、恥ずかしながら、合わせて18万円相当の賞金をもらいました。

以下が、結婚する前の夫の家計と、結婚後の家計です。

結婚する前の夫の家計

費用項目 金額
家賃 \91,000
新聞 \4,383
医療保険 \4,000
食費(飲み代含む) \90,000
通信費 \20,000
車費用 \30,000
日用雑費 \10,000
ジム \7,000
医療費 \4,000
公共料金月平均 \20,000
被服費 \10000
※赤字 \-17,383
合計 \273,000

(※赤字はボーナスで補填、残りのボーナスは当時未婚の夫がレジャーや旅行に使用)

結婚した後の家計

費用項目 金額
家賃 \65,000
新聞 \4,383
医療保険(夫婦分) \4,000
食費(外食代含む) \35,000
通信費(携帯二つ、インターネット) \10,000
交通費(電車タクシー) \3,000
日用雑貨、おむつ \10,000
医療費 \4,000
公共料金月平均 \9,000
夫小遣い \20,000
生命保険 \9,000
※固定費用 \15,500
月貯金 \84,117
合計 \273,000

※固定費用内訳

費用項目 金額
家族誕生日(被服費兼) \40,000
親族誕生日(両親)、父の日、母の日 \60,000
バレンタイン、婚約記念日、ホワイトデー、結婚記念日 \30,000
中元・歳暮・年賀状 \20,000
賃貸更新料・火災保険年平均 \36,000
年間小計 \186,000
固定費用月平均 \15,500

毎月の貯金8万4,117円×12カ月×5年=504万7,020円。"動かざるお金"による貯金は合わせて、300万+72万円+130万円=502万円。これを足すと、約1,000万円となります。

こうして、我が家は貯金ゼロから、5年で1,000万円の貯金ができました。