Mozillaは27日にFirefox 7をリリースした。バージョン5以降、高速サイクルに移行したのであるが、今回のバージョンアップに関していえば、ユーザーにとって、得るものが大きいバージョンアップとなった。本稿では、Windows版を中心に、その機能の一部を実際に紹介してみたい。

図1 Firefox 7

アップデートは、これまで通り、メニューから[ヘルプ]→[Firefoxについて]で、[ダウンロードした更新を適用]をクリックする(図2)。

図2 旧バージョンからのアップデート

もし、未インストールであれば、ダウンロードサイト(http://mozilla.jp/firefox/download/)から、ダウンロードしてほしい(図3)。

図3 Firefox 7のダウンロードサイト

バージョン7の新機能

さて、今回の新機能を項目ごとに紹介していこう。

メモリ使用量の削減

リリースノートによれば、Firefox 6と比較して、多くの場合で20%~30%、最大で50%の削減が期待できるとのことである。これは、メモリ消費削減プロジェクトによる成果である。特に、ガベージコレクションを時間ベースに変更したことで、Firefoxがこれまでよりも短時間でメモリの解放を行う(メモリ消費量に関しては、実際に、いくつか試してみたので、後述する)。さらにabout:memoryでは、ページごとのメモリ消費量も表示されるようになった(図4)。

図4 about:memoryで、ページごとのメモリ消費量を表示

起動時間の短縮

起動の際に、あらかじめ必要となるライブラリを先読みさせる。結果として、起動時間が最大で50%短縮されるとのことである。

Instant Sync

Firefox 4以降で導入されたFirefox Syncでは、異なるPCや違うプラットフォームのFirefox間で、ブックマークなどのユーザーデータを同期する。Firefox 7では、これらに変更があると、すぐさま同期が行われる。

ロケーションバーの表示方法が変更

これまでロケーションバーでのURL表示では、接頭辞の「http://」が表示されていた(図5)。

図5 Firefox 6のロケーションバー

Firefox 7では、これが表示されなくなった(図6)。

図6 Firefox 7のロケーションバー

さらにドメインのルートにアクセスする場合には、最後の「/」も省略される。例外として、SSL接続時などは「https://」が表示される。この設定は、about:configで変更することもできる。

Canvasの処理を高速化

Windows版では、HTML5 Canvas処理に限定し、Azura APIという新たなレンダリングバックエンド追加した。これによって、描画性能も向上した。

パフォーマンスデータの送信にするオプトインの追加

Firefox 7をアップデート、インストールの際に、図7の画面に気がついた方もおられるであろう。

図7 新しい匿名報告のオプトイン

これは、メモリ使用、CPUコア数、収集時間、起動速度のデータを収集し、Mozillaに送信することの可否を確認するものだ。Mozillaでは、収集したデータをもとにさらなる改良に向けに活用するとのことである。この設定変更は、オプションメニューの詳細[一般]タブでも、インストール後にも可能である。

図8 いちばん下の[パフォーマンス情報を送信する]で設定を行う

そのほかであるが、

  • text-overflow:ellipsisに対応
  • WebSocketプロトコルの対応バージョンを最新に
  • Web Timing仕様に対応
  • MathMLへの対応を強化

などがある。開発者向けのものであるが、こちらも着実に改良が進んでいる。