"超円高"の中、円高のメリットを享受できる「海外サイト」でのショッピングに注目が集まっている。従来は「言葉の壁」や「セキュリティの壁」があったが、それを補うサービスも出てきており、裾野が広がっている。今回は、どんなタイプの海外サイトが人気か紹介したい。
「日本語対応」で"言葉の壁"が低く
ジャパンネット銀行によると、同社の顧客で圧倒的に利用が多いというのが、オンラインゲームサイトの「STEAMPOWERED.COM」だ。もともと同社の顧客はネットリテラシーが高い顧客が多く、そうした顧客が同サイトを多く利用しているという。
アウトドアグッズや自転車パーツを販売するサイトも人気だ。「AIGLE(エイグル)」や「L.L.Bean」、「SIERRA TRADING POST COM(シエラトレーディングポスト)」などはアウトドアグッズなどを販売。「最近増えてきた山ガールなど、他の人と違う山登りグッズがほしいという人にも人気」(ジャパンネット銀行)。
自転車パーツでは、「WIGGLE(ウィーグル)」や「Chain Reaction Cycles.com(チェイン・リアクション・サイクル)」、「EVANSCYCLES.COM(エバンズサイクルズ)」などが人気がある。
こうしたサイトでは、もともと日本国内で買うのに比べて値段が安いことに加え、最近の"超円高"でお得感が増しているのが人気の要因だ。
また、このうち、「SIERRA TRADING POST COM(シエラトレーディングポスト)」には、購入方法などを日本語で紹介したヘルプページがあるほか、「WIGGLE(ウィーグル)」は、日本語でメール対応をしてくれる。「Chain Reaction Cycles.com(チェイン・リアクション・サイクル)」も日本語対応している。
こうしたサイトでは、海外サイトの利用の妨げとなっている「言葉の壁」が取り払われているため、利用しやすくなっている。「言葉の壁」で言えば、Googleのブラウザ「Chrome(クローム)」を使うと、日本語に変換してくれるサイトも数多くあるといい、利用者の増加に寄与しているという。
日本語版と同じ設計のサイトも人気
一方、日本語で使うのに慣れている「Amazon.co.jp」のアメリカ版サイト「Amazon.com」や、イギリス版「Amazon EU」も、サイトの設計が日本版と似ており、「言語が異なっていても、抵抗なく利用できる」(ジャパンネット銀行)ため、人気が高い。
また、アパレルでは、東京の銀座などに出展しているAbercrombie & Fitch の姉妹ブランド「HOLLISTERCO.COM(ホリスター)」も、人気を集めている。こうしたサイトはまた、商用で利用する人も多いといい、オークションへの出品や個人輸入サイト運営に活用している場合もあるという。
海外サイトでのショッピングが活況を呈する一方、国内の小売店などでの円高還元セールは、盛り上がりに欠けるなどと報道されている。これについてジャパンネット銀行では、「海外サイトでの購入は、卸売りなど中間業者などもいないため、ダイレクトに円高のメリットが享受できるからではないか」と話している。
また、海外サイトで問題になる「セキュリティの壁」に関しては、カード番号が1回使い切りで不正使用されにくい「ワンタイムデビット」などのサービスもあり、海外サイトを利用しやすい環境が整ってきている。「海外サイトの場合、一度実際に使ってみて安心感が得られると、継続して利用する傾向がある」(ジャパンネット銀行)。
ただし、同行では、海外サイトでのショッピングの注意点として、「もしも商品に不具合があったときのリスクも考慮しておいたほうがいい」とも話しており、こうした面の注意は必要だろう。
ジャパンネット銀行の、「ワンタイムデビット『人気の海外サイトをご紹介』」はこちら。