ソニーは28日、マルチチャンネルインテグレートアンプ「TA-DA5700ES」を発表した。発売は12月10日で、価格は273,000円。
昨年10月に発売された「TA-DA5600ES」の後継モデルとなる7.1chのマルチチャンネルアンプ。TA-DA5600ESは、「スピーカーリロケーション with A.P.M.」機能を搭載する点が特徴的なモデルだ。この機能は、マルチチャンネル環境で各チャンネルのスピーカーの位相や音圧レベル、周波数特性特性をフロントチャンネルに合わせ、さらに各スピーカーを「ファントム定位」により、仮想的に再配置するというもの。物理的な制約が大きいリビングシアターなどでは便利だ。
TA-DA5700ESでは、このスピーカーリロケーション with A.P.M.をさらに高度化。従来は、5.1chにサラウンドバックを加えた7.1ch環境までにしか対応していなかったが、TA-DA5700ESでは、5.1chにフロントハイを加えた7.1ch環境のスピーカーリロケーションも可能となっている、搭載されているパワーアンプは7ch分だが、音声信号の処理は9.1chで行われており、フロントハイを含んだ環境では、サラウンドバックを仮想的に作り出して9.1ch再生を行うこともできる(左右のフロント/左右のサラウンド/左右のフロントハイの、最低6本のスピーカーが実際に接続されていれば、9.1ch再生が可能)。もちろん、プリアウト端子にステレオアンプを接続して、サラウンドバックに実際のスピーカーを使ったリアル9.1ch再生を行うことも可能だ。
さらに、本モデルでは新機能として「サウンド・オプティマイザー」を搭載。サウンドオプティマイザーは、映画製作時に想定されている基準音量と、現在再生している音量とを比較し、音量の違いによる聴感の違いを補正する技術だ。小音量での再生時に、低域や高域を持ち上げる「ラウドネスコントロール」が採用されている機器は多いが、それらの高域や低域を持ち上げる度合いは、特に何らかの基準により決められているものではなかった。
サウンドオプティマイザーでは、自動音場補正の際のキャリブレーションデータをもとに、高域や低域をリニアにコントロール。人間の耳の特性モデルとしては、国際規格ISO 226:2003を利用している。さらに、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの協力のもと、このモデルをリファインし、より映画や音楽鑑賞にマッチした補正を実現している。
パワーアンプ部分の定格出力は120W×7(20Hz~20kHz、8Ω)で、接続可能なスピーカーは4Ω以上。主な出入力端子は、HDMIが入力6系統/出力2系統(ARC/3D映像対応)、コンポジット映像/音声端子が入力5系統/出力1系統、映像モニター出力(Sビデオ兼用)が1系統、コンポーネント端子が入力2系統/出力1系統、LAN端子が4基(スイッチングハブ内蔵)、USBポートが1基となっている。
サイズ/重量はW430×D420×H187.5mm/18.2kgだ。