9月22日(現地時間)より、北京で「Macworld Asia Conference & Expo BEIJING 2011」が開幕した。北京でのMacworld開催はもちろん初めて。iPhoneへの注目度をそのままMacにも繋げることができるのか、Macの中国展開の今後を占う本イベントの模様をお届けしよう。
2002年の東京以来、9年ぶりのアジアでのMacworld
今回のイベントは、アジア地域では久しぶりのMacworldとなる。「Macworld ASIA」と銘打たれ、北京での開催はもちろん初めて。2002年に東京で開催されてから9年の月日が流れ、アップルを取り巻く環境は当時と比べて大きく変わっている。iPhone/iPadの世界的流行と、さらにアジア地域の所得が大きく上昇したことによって、これまで購買層にならなかった人たちがMacに興味を持つようになっているのだ。
実際に、アップルの新CEOだるティム・クック氏は7月の第3四半期収支報告の会見において、中国・香港・台湾の3エリアでの収益が63億ドル(うち中国が38億ドル)を占めたことを発表し、「中国は我々の業績にとって極めて重要」と語っている。もちろんそれらの売上のほとんどはiPhoneが占めているが、中国のアップルストアの成長も非常に早く、今後もアップル製品に注目が集まっていくだろうことは想像に難くない。
そんな大きな注目を受けての開催となる今回のMacworld ASIAは、9月22日から25日までの4日間、北京のChina National Convention Center(中国国立会議中心)で開催されている。アップルのアジア地域での今後を占う試金石とも言えるだろう。規模は決して大きくはないが、中国、台湾、香港、韓国、日本から97社が参加して様々な展示を行っている。
キーノートスピーチはIDG代表のKisseberth氏
Macworld ASIAはカウントダウンセレモニーと共に幕を開けた。キーノートスピーチに立ったのはIDG代表のMike Kisseberth氏。同氏はアップル製品を使ったことのない人たちに向け、アップル製品は箱を開けるところから始まること、すべての製品においてPCとは「体験」が違うことなどを説明。またアップルの業績がずっと右肩上がりできていることをグラフを表示して解説したり、先述のティム・クックCEOの話などを取り上げたりと、今後の中国市場への注目度を強調した。
このほか、「Angry Birds」が大ヒットしているROVIO社、ストレージメーカーとしてパーソナルクラウド製品を提供しているウェスタン・デジタル社などがカンファレンスセッションを開催。全体では初日からの2日間で大小合わせて50程度のセッションが予定されている。
展示ブースには若干の"怪しさ"も漂う
展示会場に並ぶ製品の多くはiPhone/iPadのアクセサリで、ケースやスピーカー類が目立つが、中には「for iPhone ?」と書かれた"謎のケース"があったり、ほぼiPhoneと同じ動きをする(そしてiPhoneではない!)タッチスクリーン式の端末がiPhoneの公式キャリアでもあるチャイナユニコムのブースに置かれていたりする。公式の展示会、公式キャリアでもこのような展開をしているところがいかにも混沌のアジアを思わせる。また日本では紹介されたことがないDockコネクタ接続のフォトプリンタやプロジェクタ、iPhoneをデュアルSIMにできる怪しいアダプタなどの興味をひかれる製品もちらほらと見ることができた。
会場には思っていたよりも多くの人が訪れており、アップル製品に対する注目の高さがうかがえる。iPadを楽器にしたバンドによるライブでは人だかりができるほどで、平日であることを思えば十分な人出といえそうだ。各ブースの詳しいレポートは明日以降に続報としてお伝えするつもりだ。
いずれにせよ今回のMacworldは、今後のアップルを占う上で非常に大きな意味を持っているものだと言えるだろう。25日までの4日間でどれくらいの来場者があるのか、期待したいところだ。