米Googleは9月16日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome 14」の安定版の提供を開始した。Windows版、Mac版、Linux版、いずれもバージョン番号は14.0.835.163。「Native Client (NaCL)」「Web Audio API」が実装されており、またOS X Lion対応が強化されている。
Native Clientは、C/C++のコードをWebブラウザで安全に実行できるようにする技術だ。オープンソース・プロジェクトとして公開されている。現時点でChromeのNative Client機能がサポートするのは、Chrome Web StoreにリストされているNative Client対応アプリケーションのみとなっているが、ソフトウエアエンジニアのBrad Chen氏は「なるべく早い時期に (アプリケーション提供の)制限を取り除けるように作業を進めている」と語っている。
Web Audio APIは、様々なオーディオ機能を追加するオーディオ操作APIである。ルームシミュレーションやサブミックスなどのコンボリューションエンジンおよびオーディオエフェクトをサポートするモジュラールーティング・システムを備え、Webプラットフォームにおけるゲームやインタラクティブ・アプリケーション、シミュレーションの可能性を広げる。
Mac版はOS X Lionのフルスクリーン・モードをサポートし、右上のボタンもしくはCtrl+Shift+Fで表示モードを切り替えられる。ただし、フルスクリーン状態でescキーを押してもウインドウモードに戻れないなど、他のフルスクリーンアプリケーションと振る舞いが異なるところがある。現時点でのフルスクリーン対応をChen氏は「初期サポート」としている。このほかスクロールバーがスクロール時のみ表示されるようになった。
セキュリティ面では、32件の脆弱性が修正された。レーティングが「High」のものが15件含まれており、Chrome 14安定版で修正した脆弱性に対してGoogleは14,337ドルをバグ報告プログラムの協力者に支払った。