9月15日、東京ゲームショウ2011(TGS)が開幕した。15/16日はビジネスデイ、17/18日が一般公開と4日間の日程で開催される。今年のテーマは「心が躍れば、それはGAMEです」。注目の新製品PlayStation Vitaの実機が触れるということと、Nintendo 3DS用のビッグタイトルが多数投入されて初日から賑わいを見せる中、スマートフォンユーザーの視点から東京ゲームショウをレポートしよう。
注目の「Xperia PLAY」が発表
開催前日にNTTドコモからの発売が発表されたXperia PLAYの発表会から、今年のTGSはスタートした。「Xperia PLAY」は海外では2011年春から発売されていた製品で、ゲーム用キーパッドを持つゲームに特化したスマートフォンだ。「みんなのGOLF 2」「クラッシュ・バンディクー」がプリインストールされるほか、PlayStation Storeから初代PlayStationのゲームをダウンロードして遊ぶことができる。またXperia PLAY専用ゲームとして「エル・シャダイ」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」「デビル メイ クライ」なども登場する予定だ。スマートフォンゲームを多数投入しているGameloftの参加も決まっており、発売時期に合わせて50タイトル程度が揃う予定となっている。
このXperia PLAYではあるが、今回のTGSではPlayStation VITAが登場して長蛇の列を作ったため、Xperia PLAYの注目度はいまひとつ。その理由のひとつには、初代PlayStationのゲームを誰が遊ぶのかという点もあるだろう。どこまでタイトルを充実させられるか、専用タイトルを開発してもらえるかが今後の普及のカギになりそうだ。
初参加ながら大型ブースを出展したGREE
TGS初登場ながらメジャーメーカーと同じ規模のブースを展開していたのがGREE。自社開発アプリを紹介する"GREEゾーン"と、協力ゲームメーカーが開発したアプリを紹介する"パートナーゾーン"に分かれて展示されているブース内は多くの人で賑わい、ステージでもコンパニオンを使った派手なショーやトークセッションに注目が集まった。
GREEと聞くとフィーチャーフォン向けのワンタッチゲームなど単純なものを想像するが、カプコン、KONAMI、コーエー、セガなどメジャーメーカーもこぞって参入しており、モバイルゲームに対する注目度の高さがうかがえる。ソーシャルを活用したゲーム作りはモバイルゲームのポイント。それを早くから押さえて発展させてきたGREEは自信を持って歩を進めているように見える。メジャーメーカーの参入もユーザー層の増加に拍車をかけることになりそうだ。
Windows Phoneもその存在をアピール
MicrosoftのXboxブースの裏でひっそりと展開されていたのはWindows Phoneのブース。「塊魂モバイル」や「PAC-MAN」「つみねこ」などがプレイ可能だった。ゲームタイトルの充実はまだまだこれからだが、アプリを購入できるMarketPlaceと連携して今後ゲームタイトルを増やしていく予定だという。Xbox LIVEと連携してアバターを使ってコミュニティに参加したり、Xboxと連携したりといったことが可能なアプリも予定されているとのことで、ユーザー層がどこまで拡大できるかがこれからの課題といえそうだ。
サーバ上で動作するゲームの映像を配信する「G CLOUD」に期待
ハンゲームが展示していたのはDocomoのXiタブレットで遊べるオンラインゲーム「Dragon Nest」。この「Dragon Nest」はゲームサービスをネットワーク上のクラウドサーバで動作させ、その映像をオンラインでストリーミング配信する「G CLOUD」というサービスを利用しており、ダウンロード不要でマシンスペックの差に依存せずに楽しめる。G CLOUDはこの秋からDocomoのタブレット向けに提供されるが、iPhone/iPadでも動作可能だとのこと。画面構成はこれまでのスマートフォン/タブレット用のゲームの中ではかなり美麗なグラフィックで、期待が持てる。
まとめ ―― メジャーメーカーの本気が見えてきた!
今回のTGS、スマートフォン/タブレット系のゲームは「モバイル&ソーシャルゲームコーナー」にまとめられており、大手メーカーからマイナーメーカーまで数十社が展開していた。毎年これと同じようなブースは出ているが、年々倍々ペースで大きくなってきているのを感じる。
今年はとくにAndroidゲームが目立った。年内には出荷台数が1,000万台を超えると言われるAndroidのゲーム市場は、これからが注目だ。スクエア・エニックスもこの冬、Android向けのアプリを配信する「SQUARE ENIX Market」を開設し、スマートフォン向けでは初のドラゴンクエストシリーズなどを提供していくことを発表している。多くの新作ソフトも発表され、メジャーメーカーの「本気」も見えてきたスマートフォンゲーム市場は、これからも拡大していくことは間違いないだろう。