千葉県・幕張メッセで開幕した東京ゲームショウの会場で、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、NTTドコモ向けに提供する「Xperia PLAY SO-01D」の発表会を開催した。ソニー・エリクソンのマーケティング部統括部長の金子克之氏は「Xperia PLAYの導入で、新たなユーザー層を開拓していきたい」と意気込みを語る。会場にはXperia PLAYの実機を展示、来場者がゲームを遊べるような状態になっている。
Xperia PLAYは、今年2月にスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2011」で発表され、世界で販売されているAndroid搭載スマートフォン。端末をスライドさせるとプレイステーションのコントローラー風のゲームキーパッドが現れ、十字キーや○ボタンなどを使ってゲームが楽しめる。
OSにはAndroid 2.3(Gingerbread)を搭載し、画面は4.0インチフルワイドVGA(854×480ドット)、CPUはSnapdragon MSM8255 1GHz、RAM 512MB、ROM 1,024MB、有効510万画素のアウトカメラ、同30万画素のインカメラを搭載する。
本体サイズは120(H)×62(W)×16.4(D)mm、約175gで、spモードやiチャネル、ドコモマーケットなどのドコモサービス、緊急地震速報「エリアメール」やテザリング機能なども備えており、下り最大14Mbps、上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードにも対応する。日本語入力として音声入力対応のPOBox Touch 4.3、「Xperiaの象徴的なアプリ」(金子氏)であるTime Scapeといったアプリも搭載している。
ゲームキーパッドは、十字キーや○ボタン、L/Rボタンなど、プレイステーションのコントローラーに近く、中央にはアナログ操作が可能なタッチパッドも搭載。「ゲームプレイに最適化され、ボタンを押したときの感触やパッドの操作性にこだわった」(同)という。
ボディは全体的にフラットで、背面に曲線を生かしたデザインで持ちやすさにも配慮。Xperia arc/acro/rayと同等のCPU/GPUを採用することで「快適な動作は実証済み」(同)だとした。
ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)による認証プログラムである「PlayStation Certified」に対応した初めてのAndroidスマートフォンで、SCEIが提供する初代プレイステーション向けゲームタイトルなどを楽しむことができる。
「クラッシュ・バンディクー」「みんなのGOLF 2」「アスファルト6:Adrenaline HD」「Star Battalion HD」「アチャ! ホォオワチャアアアッ!」の5ゲームをプリインストールし、Xperia PLAY限定として「LocoRoco -Midnight Carnival-」を無償ダウンロード提供する。
SCEIによる「PlayStation Store」からゲームタイトルをダウンロード購入することも可能で、「I.Q Inteligent Qube」「アーク ザ ラッド」「XI[sai]」など、初代プレイステーション向けゲームなどが用意される。GMOが提供する「Gゲー」では、「デビル メイ クライ 4 リフレイン」「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」などのゲームタイトルが提供され、Xperia PLAYを使って楽しむことが可能だ。
これらのゲームはXperia PLAYのゲームキーパッドを使って楽しめるほか、すでにAndroid Marketで公開されている各種のAndroid向けゲームも遊ぶことができる。
PlayStation Storeから入手したゲームやプリインストールゲームは、PlayStation pocketアプリで管理し、同ウィジェットを使ってホーム画面から簡単にゲームを起動し、ゲームキーパッドをスライドさせてすぐに遊ぶことができる。
PlayStation Store以外で入手したゲームは、本体を横にしてゲームキーパッドを引き出すと起動する「Xperia PLAY Game Launcher」で管理でき、定期的に更新されるおすすめゲームからゲームを入手したり、Android Marketにアクセスしてゲームを入手したりできる。
PlayStation Storeなどを含め、発売日周辺で50タイトル以上のラインナップを用意。順次ラインナップは拡大する見込み。14日に発表されたSCEIのポータブルゲーム機の「PlayStation Vita」はハードなゲームユーザー向け、通話などのスマートフォン機能も備えるXperia PLAYはライトなゲームユーザー向けとすみ分けを図っていく考えだ。
なお、PlayStation VitaとXperia PLAY間でのアカウント共有など、各種連携に関しては今後検討していくという。
ソニー・エリクソンの調査によれば、スマートフォンの利用動向は、電話、メール、Web閲覧に続いてゲームの利用頻度が高く、スマートフォン向けゲーム市場は、「ゲーム業界でも成長が著しいセグメント」(同)だという。金子氏はスマートフォンの購入によってゲームを楽しみたいというユーザー層が拡大しているとの認識を示し、「手軽で、より快適に、クオリティの高いゲームによって新しいユーザー層の開拓に貢献できる」と期待する。
SCEIの第2事業部PSS部課長の杉本滋氏は、Xperia PLAYに対して「数々のタイトルを惜しみなくそろえた」とコメント。PlayStation Storeも順次拡大していく計画で、「今後に期待して欲しい」とアピールする。
ソニー・エリクソンが国内市場向けにリリースするスマートフォンはこれで5機種目となり、それぞれ異なるユーザー層の開拓を狙っており、Xperia PLAYのリリースでさらに拡大を図る。金子氏は、PlayStation Storeをはじめとするゲームタイトルのリリースを期待し、さまざまな施策も検討していきたい考えだ。