米国内でゲームストアチェーンを展開している米GameStopが、Androidをベースにした自社製タブレットで同市場へと参入を試みているという話が持ち上がっている。同件を最初に報じているのはThis is my nextで、同誌の報道の翌日にはWall Street JournalによるGameStop CEOへのインタビュー記事の中でタブレット市場への参入が報じられている。GameStop版タブレットでは、Angry Birdsのようなゲームアプリを複数導入した形で提供が行われるほか、OnLiveのようなストリーミングによるヘビーなPC/コンソールゲーマー向けのゲームサービスが提供される見込みだという。
ここ最近、コンテンツ事業者が自身のコンテンツを拡販するための手段としてタブレットに着目する例が増えている。米国での例でいえば、新聞社のPhiladelphia Media NetworkとTribune Companyが、自社新聞の定期購読者に対してオンライン新聞のリーダーアプリをインストールしたタブレットを提供する事例が報告されている。また正式発表ではないが、米Amazon.comが自社ブランドでのタブレット提供を計画しているといわれている。Amazon.comはKindleという電子書籍リーダー端末を販売しているが、他社に比べても端末単体での価格競争力が高いのも、電子書籍の販売というコンテンツとサービスを自ら抱えている強みがあるからだといわれている。同様に自社ブランドでタブレットを提供することで、電子書籍以外のコンテンツ、例えば音楽や映画、ゲームまで、さまざまな種類のコンテンツ販売が可能になり市場が広がるからだ。そのため、今後タブレット普及のキープレイヤーの1社になるとみられている。
ではGameStopはどうか。同社は新品ならびに中古ゲームの売買を行う小売りチェーンだ。9月12日にはiPod、iPhone、iPadなど、モバイル関連のデバイスの中古販売事業に参入したことが報告されている。そしてこれとは別に、Androidベースの自社ブランドのタブレットを投入する予定だという。GameStopがタブレットに参入するということは、やはりゲームがそのコンテンツの中心となる。前述のようにカジュアルゲームやソーシャルゲームを中心としたパッケージだけでなく、Gears of WarのようなPC/コンソールゲームで人気のヘビーなFPSまで、広くカバーしていくのが目標だという。ただしAndroidタブレットではパフォーマンスの問題もあり、こうしたゲームコンテンツはストリーミングでインターネット経由で配信が行われてくるようだ。ちょうどOnLiveという事業者がサーバ側で処理した画像データをストリーミングで各家庭のコンソールやモバイル端末に配信するクラウドサービスを展開しているように、GameStopでもまた同様のサービスをAndroidタブレットを通じて提供していく計画だという。