医薬品・医療機器関連事業を行うMSDは、このほど、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus、以下HPV)の6・11・16および18型の4つの型の感染を予防する、4価HPVワクチン「ガーダシル水性懸濁(けんだく)筋注シリンジ」および「ガーダシル水性懸濁筋注」を発売した。9月15日より、厚生労働省「平成23年度子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の対象とされ、子宮頸がんをはじめとするHPV疾患予防の新たな選択肢となる。
HPV16・18型は、子宮頸がん発生原因の約65%を占め、外陰がんに先行してみられる場合のある外陰上皮内腫瘍の高度病変の約76%、また腟がんに進行する可能性のある腟上皮内腫瘍の発症にも関連している。日本では女性特有のがんとして乳がんに次いで子宮頸がんが多く、年間1万人以上が発症、約3,500人が亡くなっているという。初期の段階では自覚症状がないため、気づいた時には進行しているというケースが少なくない。一方、HPV6・11型は、尖圭コンジローマ(性器イボ)の発症原因の約90%を占めている。
日本では2011年7月に厚生労働省より製造販売承認を取得した「ガーダシル水性懸濁筋注シリンジ」および「ガーダシル水性懸濁筋注」 |
同ワクチンは、9歳以上の女性において、子宮頸がんをはじめとするこれらのHPV疾患を幅広く予防するもの。2006年に世界初のHPVワクチンとして米国、メキシコ、オーストラリア等で承認され、現在は日本を含む世界124の国と地域で広く承認されている。
併せて、同社ではHPVに起因する疾患の情報や、子宮頸がんの予防ワクチンについての情報を提供するサイト「もっと守ろう.jp」を開設。子宮頸がんの症状、治療、原因HPVに関する解説のほか、定期検診の流れやワクチン接種の予定が確認できるツール等の情報を提供している。