ブラザー販売は6日、家庭向けインクジェット複合機「マイミーオ」シリーズ、およびオフィス向けのページプリンタや複合機「ジャスティオ」シリーズの新モデル発表会を開催した。今回の中心はマイミーオで、2011年の年末商戦に向けた新モデルとともに、プロモーション戦略や販売戦略などを紹介した。新モデルの概要、特徴については、以下の別記事を参照いただきたい。
ブラザー、FAX/子機付きなどA4インクジェット複合機「マイミーオ」新モデル
ブラザー、低価格A4レーザープリンタやFAX/受話器付のA4モノクロ複合機
ブラザー、ADF付で無線LAN/両面印刷対応のインクジェットA3カラー複合機
総合プリンタメーカーとして認知を高める
はじめにブラザー販売の代表取締役社長、片山俊介氏が事業戦略などを説明。ブラザーグループでは大きく4つの事業(および新規事業)を展開しているが、約5,028億円の連結売上高の約7割をプリンティング事業が占めていおり、プリンティング事業を中心として企業であるとした。
「マイミーオシリーズは、大幅な小型化、faxやコードレス電話を付けた多機能なインクジェット複合機として2003年に誕生した。優れた通信機能や多機能ながらコンパクトといったブラザーならではの特徴を備え、おもにFAX市場においてFAX単体機からの買い替え需要を積極的に取り込み、FAXの複合機化を進めてきた」(片山氏)。
「2011年のマイミーオは、新しいプリントエンジンでプリンタ性能を向上。これまではFAX複合機を強みに存在感を強めてきたマイミーオだが、プリンタとして勝負することで、インクジェット市場での存在感をさらに高め、ブラザーが新たな選択肢となるよう果敢にチャレンジしていく。これまでブラザー製品は、FAXやFAX複合機として認知されてきたが、今後はビジネス用から家庭用までそろえている総合プリンタメーカーとしてユーザーニーズに応えられるよう、製品を提供していく」(片山氏)と述べた。
インクジェット市場の概要や新モデルの説明を行ったのは、ブラザー販売の取締役、三島勉氏。「インクジェットプリンタ/複合機の市場規模は年間で、今後も買い替え需要を中心として堅調に推移すると考える。複合機の比率は約8割を超え、これからも複合機化の流れが続くだろう」(三島氏)。
また、写真印刷を重視するユーザーを主なターゲットにした「高付加価値商品」と、主に文書印刷を重視するユーザーに向けたシンプル機能/低価格帯の「ローエンド商品」に大きく分かれると分析。さらにユーザー動向では、写真印刷の減少、無線LANの増加、スマートフォンやクラウドサービスの普及、節約/節電意識の向上を挙げる。
こうした状況の中、2011年のマイミーオ新モデルでは、高速プリント、多機能&コンパクト、低消費電力&エコ、クラウド&モバイル接続という4つの大きな特徴を紹介。特に普通紙印刷を強化し、上記のような充実した機能を備えた"高付加価値商品"として、新たな市場を形成していくとした。年間で50万台の販売目標と、インクジェットプリンタ/複合機の市場で10%以上のシェアを目標にするという。
「PCの周辺機器という従来の位置づけに加え、新たな付加価値を提供し、ユーザーに使って貰えるシーンを増やしていきたい」(三島氏)。
刺激的なプロモーション
プロモーション展開では、11月下旬からオンエアされる新しいマイミーオのCMに、こちらも新しいイメージキャラクターとなる弱冠14歳のファッションモデル、梨奈カロリーナさんを起用。「プリンターに、第3の選択肢。その実力、予想外」という、なかなかスパイスの効いたキャッチコピーを採用し(第1と第2には当然ながら、エプソンとキヤノンを念頭に置いたものと思われる)、梨奈カロリーナさんを見て「お、これ誰?」と思ってもらうことで、そこからの流れで新マイミーオの認知度向上を狙う。
また、今回の新マイミーオの誕生を記念して、「THE SARTORIALIST IN TOKYO」(東京のサルトリアリストたち)というドキュメンタリー映像を制作。「サルトリアリスト」とは、ファッションブロガーとして著名なフォトグラファー、スコット・シューマン氏の命名によるもので、"着こなしが上手な人"を意味する。映像では、スコット・シューマン氏が東京の街並みを歩きながら、"サルトリアリスト"を撮影していく。「THE SARTORIALIST IN TOKYO」は、ブラザーのWebサイトで2011年9月21日より公開される予定だ。
この「THE SARTORIALIST IN TOKYO」のPR大使として、俳優の峰竜太さんが登場。スコット・シューマン氏が撮った峰さん自身の写真を新マイミーオで印刷したハガキを手に持ち、「今年の年賀状はコレです」と語って会場の笑いを誘った。