キヤノンは8月31日、インクジェットプリンタ/複合機「PIXUS」シリーズの新製品となる2011年秋モデルの発表会を開催した。コミュニケーションパートナーとして、俳優の岡田将生さんと芦田愛菜さんを採用し、暖かみのあるプロモーションを展開する。新モデルの概要は、別記事『2011年秋モデルのキヤノン「PIXUS」- テーマは「心地よい生活提案」』を参照いただきたい。
国内の市場動向と年間103%の成長を見込むキヤノン
はじめに、キヤノンマーケティングジャパン 代表取締役社長 川崎正己氏が、インクジェット製品の国内市場動向と新モデルの狙いを述べた。
「国内市場は震災による最悪期を抜け、下半期は回復基調だが、欧米の金融不安などで先行きは不透明。キヤノングループも震災で大きな影響を受けたが、市場への影響は最小限にとどめられた。デジカメの供給も戻ってきており、前半の遅れを後半で一気に挽回したい。グループ全体で取り組んでいく。
インクジェットプリンタ/複合機は買い替えスパンが長くなり、市場規模は微減の傾向だが、年間で500万台の規模はキープしており、底堅い安定したマーケットといえる。2011年は前年比で約97%ほどになると思われるが、キヤノン製品の出荷台数はプラス成長。年間では前年比103%の成長を見込んでいる」(川崎氏)。
また、プリンタ/複合機への価値観が変化したとも分析している。2台以上のPCを所有する家庭が過半数を超え、プリンタ/複合機の設置場所としてリビングルームが半数近くに達した。PCとプリンタを並べて設置するのではなく、PCは自室や個室、プリンタ/複合機はリビングルームで共有というスタイルが定着しつつあるとした。「多機能で高画質、高速、コンパクトといった従来からの訴求点はもちろん、これからはデザイン、快適性、静粛性、エコロジーという"生活価値の提案"に注目していく」(川崎氏)。
それを象徴するのが無線LANで、従来モデルの「PIXUS MP640」では84%、「PIXUS MG6130」では96%のユーザーが無線LANで接続している。こうした現状を踏まえ、新モデルではハイエンドからエントリーまで、無線LAN対応モデルを9機種に拡充させた。そのほか、急速に普及が進むスマートフォンやタブレットデバイス、クラウドサービスとの連携にも注力する。
中核となる新モデルは「PIXUS MG6230」で、ブラック、ホワイト、ブロンズという3色のカラーバリエーションを用意。さまざまなリビング、インテリアにマッチするよう、幅広いユーザーに選んでもらいたいとした。
加えて「リーディングカンパニーとしてのトップシェア、顧客満足、社会貢献をバランスよく推進し、製品のタイムリーな投入で盤石の体制を築く」(川崎氏)と意気込みを語った。
心地よい生活提案へ
続いて登壇したキヤノン 常務取締役 インクジェット事業本部長 清水勝一氏は、新モデルのPIXUS MG6230を中心に、新モデルの特徴を紹介。必要な本体ボタンのみLEDでナビゲートする「インテリジェントタッチシステム」や、プリント/スキャン/コピー時の稼働音をまとめて約23%ほど低減して夜の使用や小さな子供がいる環境でも安心して使える「サイレントモード」、および自動電源オフやECO設定と行った環境性能について解説した。
また、スマートフォン/タブレットデバイスと連携する「PIXUSクラウドリンク」は、オンラインフォトサービスにアップロードした写真や、多彩な定型フォーム(便せん/封筒など)をPIXUS本体だけで印刷できる機能。スマートフォン/タブレットデバイス向けのアプリ「Easy-PhotoPrint」も機能アップしたほか、アップルの「AirPrint」とGoogleの「Google Cloud Print」にも対応する。
「新PIXUSは美しさと心地よさを兼ね備えている。ユーザーの多彩なプリントニーズに応えることが重要で、生活の一部になるように快適で使いやすい、よりパーソナルなプリンタを目指して開発した。生活スタイルに合ったモデルを選んでほしい。同時に、デジタルイメージングの新しい文化を創造する存在でありたい」(清水氏)。
フルHD動画から任意のコマを印刷する機能を強化 |
複数のコマを連続写真のように並べて1枚の用紙に出力 |
複数のコマを合成して1枚の画像に合成して出力 |
お楽しみフィルター機能の「魚眼風」 |
お楽しみフィルター機能の「背景ぼかし」 |
印刷用コンテンツのダウンロードサービス |
CMキャラは岡田将生さんと芦田愛菜さんのコンビ
キヤノンマーケティングジャパン 取締役 専務執行役員 コンスーマイメージングカンパニープレジデント 佐々木統氏は、新モデルの国内マーケティング戦略を解説。従来のプリンタ/複合機は多機能やキレイといった"機能"を競って進化してきたが、もはやこうした基本性能だけでは支持されず、無線LANやインテリジェントタッチシステムなどによって機能価値を生活価値に変えていくことが必要とした。
やはりPIXUS MG6230が中心となり、コミュニケーションワードとして「あなたのスタイル、選べるPIXUS」を掲げた。各カラーバリエーションの主要ターゲットは、ブラックモデルが20~30代の男性、ホワイトモデルが20~30代の女性や"家族"、ブロンズモデルが40代以上の男性/女性とする。
そのほか、写真文化の啓発といったキヤノンの活動についても紹介。「写真甲子園」への協賛、小学校への出張授業(フォトレターの作成など)、年賀状文化の啓蒙などを語った。
コミュニケーションパートナー/CMキャラクターには、俳優の岡田将生さんと芦田愛菜さんを起用した。PIXUS MG6230のカラーバリエーションに合わせて、3パターンのCMを制作。各カラーのリビングシーンを岡田さんと芦田さんが訪れ、PIXUS MG6230やインテリアとのマッチングを検証するというストーリー。新CMのオンエアは9月8日より。