エプソンは31日、同社のインクジェットプリンタ/複合機「カラリオ」シリーズの2011年秋モデルとして、14機種(カラーバリエーション含む)の新製品を発表した。発売は9月8日より順次。価格はすべてオープンで、店頭予想価格は10,000円前後より。
2011年秋モデルのおおまかな強化点は、スタイリッシュデザインと新しいカラーバリエーション、操作性の向上、6色インク機の拡充、モバイルクラウドサービスなど。
ハイエンド&ボリュームゾーン
ハイエンドの「EP-904」シリーズとボリュームゾーンの「EP-804A」シリーズには、新しい機能や要素をふんだんに投入。本体の操作パネルには「先読みガイド」を導入し、メモリカードの挿入や原稿カバーのオープンなど、ユーザーの初期操作に合わせて液晶モニタに表示するメニュー項目を自動的に絞り込む。さらに印刷前に用紙サイズを自動判別し、印刷設定と違ったサイズの用紙を給紙していてもミスプリントを防いだり、コピー/スキャン後に原稿の取り忘れを知らせるアラーム機能を搭載した。また、無線LAN接続において、PCとの一時的なUSB接続や無線LANのWPS機能など使わなくても、無線だけの状態で簡単に設定できるようになった。
エプソンのモバイルクラウドサービスにも対応し、「メールプリント」と「Epson iPrint」という独自の機能/サービスを提供するほか、アップルの「AirPrint」、およびGoogleの「Google Cloud Print」をサポート。メールプリントは、自宅や会社などに設置したEP-904/804Aシリーズにメールを送ることで、メール本文や添付ファイルをリモート印刷できるサービス。Epson iPrintは、Android端末およびiOS端末(iPhone/iPadなど)で動作するプリント/スキャン用アプリで、ローカルネットワーク上の複合機でプリント機能とスキャナ機能が利用できる。
ハイエンドのEP-904シリーズはADFを標準装備し、FAX機能ありのEP-904Fと、FAX機能なしのEP-904Aという2機種。従来機種のEP-903シリーズと比較して、本体表面の凹凸を減らしてよりフラットなデザインとした。LEDカラーがオレンジからグリーンになったことで、操作パネルの視認性も向上している。
ボリュームゾーンの戦略モデルはEP-804Aシリーズ。ブラック、ホワイト、レッドという3色のカラーバリエーションを用意し、特にレッドが斬新だ。背面の突起が少なく、壁際でも設置できる。
EP-904F/A | EP-804A/AW/AR | |
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発売日 | 9月15日予定 | 9月15日予定 |
店頭予想価格 | EP-904F : 4万円台中盤 EP-904A : 4万円前後 |
3万円前後 |
ノズル数 | 180ノズル×6色 | 180ノズル×6色 |
最高印刷解像度 | 5,760×1,440dpi | 5,760×1,440dpi |
最小ドットサイズ | 1.5pl | 1.5pl |
インク種/色数 | 染料/6色 | 染料/6色 |
給紙 | フロント(2段トレイ) | フロント(2段トレイ) |
自動両面印刷 | ○ | オプション |
BD/CD/DVDレーベル印刷 | ○(内蔵トレイ) | ○(内蔵トレイ) |
イメージセンサー | 4,800×4,800dpi CIS | 2,400×4,800dpi CIS |
ADF | ○ | - |
有線/無線LAN | 標準 | 標準 |
インタフェース | USB 2.0 | USB 2.0 |
液晶モニタ | 3.5型 | 2.5型 |
スタンダード&ベーシック
有線/無線LANやモバイルクラウドサービスなどを省略したスタンダード&ベーシックモデル。
EP-774A | EP-704A | |
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発売日 | 9月15日予定 | 9月8日予定 |
店頭予想価格 | 2万円台中盤 | 1万円台後半 |
ノズル数 | 180ノズル×6色 | 90ノズル×6色 |
最高印刷解像度 | 5,760×1,440dpi | 5,760×1,440dpi |
最小ドットサイズ | 1.5pl | 1.5pl |
インク種/色数 | 染料/6色 | 染料/6色 |
給紙 | フロント(2段トレイ) | リア |
自動両面印刷 | オプション | オプション |
BD/CD/DVDレーベル印刷 | ○(内蔵トレイ) | ○ |
イメージセンサー | 2,400×4,800dpi CIS | 1,200×2,400dpi CIS |
ADF | - | - |
有線/無線LAN | オプション | オプション |
インタフェース | USB 2.0 | USB 2.0 |
液晶モニタ | 2.5型 | 2.5型 |
新開発エンジンを採用したコンパクトな顔料モデル
電源ユニットやメイン基盤を小型化し、イメージセンサーやプリントヘッドの配置を改良することで小型化した4色顔料モデル。従来機種のPX-403Aと比較して、35%の小型化を実現した。2/4/8/12時間後に自動で電源をオフにする機能を搭載する。
PX-434A | PX-404A | |
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発売日 | 11月中旬予定 | 11月中旬予定 |
店頭予想価格 | 1万円台後半 | 1万円前後 |
ノズル数 | 42ノズル×3色、ブラック128ノズル | 29ノズル×3色、ブラック90ノズル |
最高印刷解像度 | 5,760×1,440dpi | 5,760×1,440dpi |
最小ドットサイズ | 3pl | 4pl |
インク種/色数 | 顔料/4色 | 顔料/4色 |
給紙 | リア | リア |
自動両面印刷 | - | - |
BD/CD/DVDレーベル印刷 | - | - |
イメージセンサー | 1,200×2,400dpi CIS | 1,200×2,400dpi CIS |
ADF | - | - |
有線/無線LAN | 無線LANのみ | - |
インタフェース | USB 2.0 | USB 2.0 |
液晶モニタ | 1.44型 | 1.44型 |
カラリオ ミー
最上位となるE-820は、赤外線キーボードや7型カラー液晶モニタを装備。PCいらずでハガキを作成/印刷でき、コンテンツデザインも増強されている(1,055種類)。液晶モニタはデジタルフォトフレームとしても利用でき、3D効果、時計、カレンダーといった表示機能を搭載する。
エントリーモデルのE-350シリーズには、ホワイト、ピンク、グリーンのカラーバリエーションを用意した。ハンドル付きで持ち運びに配慮している。
E-820 | E-350W/P/G | |
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発売日 | 9月15日予定 | 9月15日予定 |
店頭予想価格 | 5万円台中盤 | 1万円台後半 |
ノズル数 | 90ノズル/90ノズル×3色 | 90ノズル/90ノズル×3色 |
最高印刷解像度 | 5,760×1,440dpi | 5,760×1,440dpi |
最小ドットサイズ | 2pl | 2pl |
インク種/色数 | 染料/4色 | 染料/4色 |
給紙 | リア | リア |
自動両面印刷 | - | - |
BD/CD/DVDレーベル印刷 | - | - |
イメージセンサー | - | - |
ADF | - | - |
有線/無線LAN | 無線LANのみ | - |
インタフェース | - | - |
液晶モニタ | 7型 | 2.5型 |
プロセレクション
プロセレクションには「PX-7V」が登場。インクシステムは8色顔料、最小ドットサイズは1.5pl、最高印刷解像度は5,760dpi、BD/CD/DVDレーベル印刷対応。
光沢顔料のブルーインクが復活し、マットブラックとのインクチェンジシステムを搭載する。ブルーインクによって色域が広がり、ポジフィルムのような風合いと高彩度のプリントが可能。ドライバ設定でもポジフィルム調(高彩)モードを備えた。また、インクカートリッジの容量が増加したほか、純正の「写真用紙クリスピア<高光沢>」にA2サイズが追加されている。