「第35回モントリオール世界映画祭」でイノベーションアワードを受賞した映画『アントキノイノチ』の瀬々敬久監督と主演の岡田将生、榮倉奈々が東京・築地の松竹本社で受賞報告会見を行った。

左から、瀬々敬久監督、岡田将生、榮倉奈々 拡大画像を見る

29日の朝に受賞の報を電話で受けたという岡田は「言われた時は理解できなかったんですけど、(共演の)原田泰造さんから『やったな!』というメールがあって実感しました。早く日本の方々にも見てほしいですね」と語り、榮倉は「モントリオールに行けただけでもうれしかったのに、賞をいただけるなんて」と感慨深げ。「先入観のない各国の人々に見ていただき、間近で感想をお聞きしました。言葉は違うけど心で見てくれたんだと、うれしく思いました」と喜んだ。

同作は、過去のある事件から心を閉ざしていた杏平(岡田)とゆき(榮倉)が、「遺品整理業」という仕事を通して出会い、生きる勇気を少しずつ取り戻していく姿を描いている。受賞したイノベーションアワードは革新的で質の高い作品に贈られる賞で、同映画祭の授賞式に出席した瀬々監督は「あらゆる事件や出来事の渦中に僕らがいるんだと、ど真ん中で生きているんだと。そういった僕らの思いが、海外の人にダイレクトに伝わったんじゃないか」と分析した。

また、榮倉は同作の出演で「私自身、杏平の言葉に助けられたというか、ヒントになったところがありました」と振り返り、「きっと同世代の方々にも共感していただけるんじゃないかと思います」とアピールすると、瀬々監督は「僕はもう少ししたら死ぬかもしれないけど(笑)、未来を背負う君たちみたいな人たちに見てほしいと思っているのであります!」と岡田と榮倉に目線を向けながら、力を込めて訴えていた。

映画『アントキノイノチ』は11月19より全国公開。