写真左から日本地域担当の大三川彰彦氏、ウイルスバスターガールの山本美月さん、コンシューマ&SBマーケティング部プロダクトマネージャー吉井直子氏

トレンドマイクロは25日、セキュリティソフトの最新版「ウイルスバスター2012 クラウド」と、Android搭載スマートフォン向け「ウイルスバスターモバイル for Android」を発表した。ウイルスバスター2012は25日からダウンロード販売を開始、ウイルスバスターモバイルとともに、店頭では9月2日から販売を行う。価格はいずれもオープン価格で、同社直販サイトでの価格は、ウイルスバスター2012がパッケージ版の1年版が5,980円、ダウンロード版が4,980円。ウイルスバスターモバイル1年版が2,980円、PC版とモバイル版のセットで7,980円など幅広いラインナップを展開する。

SNSのURLをブロックできるウイルスバスター2012

ウイルスバスター2012は、3年連続で販売本数が首位を獲得した定番の総合セキュリティソフトで、前バージョンで機能の一部をネットワーク側に振り分けることで、セキュリティと本体の軽量化を図っており、新版ではさらに動作を高速化。PC全体のフルスキャンでは従来比12~58%の短縮を実現したという。ビジー時のメモリ使用量も42%削減。

ウイルスバスター2012 クラウド。SNSプロテクション機能を搭載し、軽快さをさらに向上させた

製品コンセプトでは、新たにSNSに対応。1ライセンスでWindowsとMacに対応する

ノートPCがバッテリモードになると、HDDの回転数を抑えた検索方法に切り替えることで省電力化につながり、駆動時間を約6%(約20分)延長できたとしている。

新機能としては「SNSプロテクション」を搭載。TwitterやFacebook、mixiといったSNS上に記載されたURLをチェックし、フィッシング詐欺などの危険なURLである可能性があるとURLを色づけし、警告してくれる。従来から、Webレピュテーション(評価)技術を使って、Web検索結果にも同様な表示をして、アクセスした場合もブロックする仕組みを備えていたが、これと同じ技術をSNSにも投入した。SNS上の知り合いが投稿したメッセージのURLはクリックしやすいという調査結果もあり、こうしたSNSを使ったスパムなどの対策を提供する。

危険なURLは赤くなっており、マウスオーバーで警告を表示。

そのままアクセスすると

ブロック画面が表示される

ウイルスなどの不正プログラム対策では、保護レベル「高」に設定することで、不正プログラムの不審な挙動から、PCへ侵入してきた経路を特定し、その経路上にあるファイルやWebサイトもブロックできるようになった。こうした経路は原因分析レポートとして表示する機能も備えている。

ボットネット特有の不審な通信を検出する機能や、脆弱性を利用してPCに感染するネットワークウイルス対策用のパターンやルールも強化。ペアレンタルコントロールでは、Windowsのユーザーアカウントごとにコンピュータの使用時間の制限も可能になった。

対応OSはWindows XP/Vista/7で、さらにMac OS X 10.4/10.5/.10.6/10.7対応版も同梱。1つのライセンスで、Macを含めて3台までインストールして利用できる。

価格はすべてオープン価格で、同社直販サイトでの価格は、1年間の更新が付属した1年版が5,980円、同3年版が12,800円。ダウンロード版は同4,980円、11,800円。保険&PCサポート版も用意され、同6,980円、15,980円。

同社の取締役でエグゼクティブバイスプレジデント日本地域担当の大三川彰彦氏は、20年前にウイルスバスター初版出荷時に、73個のウイルスのみの対応だったが、現在では1秒間に1つの不正プログラムが出現していると話す。そうした中で、PCだけでなくスマートフォンのようなデバイスの発展やインフラの発展によってソーシャルメディアが普及している点を指摘し、「さまざまなポイントからセキュリティを担保する必要がある」と強調する。

盗難・紛失時の対策が追加されたウイルスバスター for Android

Android搭載スマートフォン向けのウイルスバスター for Androidは、これまでベータ版がAndroid Market上で配布されていたが、今回製品版として機能追加をして販売が行われる。

ウイルスバスター for Androidの主な機能

ベータ版から追加された機能としては盗難・紛失時の対策がある。ウイルスバスターをインストールした端末を紛失した場合、PCなどでWeb管理画面にアクセスすれば、Googleマップ上に端末の現在地が表示できる。そのうえで遠隔ロックやアラームの発呼、リモートワイプ(削除)機能も提供する。SIMカードが差し替えられたら端末をロックする機能も備え、いざというときのデータ漏えいなどを防いでくれる。

盗難紛失対策では、Googleマップ上に端末位置を表示できるほか、

端末ロックやリモートワイプ機能を提供

端末ロックをかけると、ウイルスバスターの独自のロック画面になる

あらかじめ設定したパスワードに加え、ワンタイムパスワードを使った解除も可能

自宅内で見つからない場合などに、アラームを鳴らして端末を探せる

そのほかにもリモートワイプやSIMカード差し替え時のロックも可能

不正アプリ対策では、従来はAndroidアプリの.apkファイルのみの検査だけだったが、新たにすべてのファイルの検査に対応。アプリのインストール時に自動的に検査を行ってくれる。

不正プログラム対策では、自動更新されるパターンファイルをベースにスキャンを行う

PC版のウイルスバスター2012と同様にWebレピュテーション機能を搭載。URL警告は、標準ブラウザのみ動作確認しているが、ほかのブラウザアプリでも動作する可能性はあるという。ペアレンタルコントロール機能では、未成年の不適切なWebサイトへのアクセスもブロックする。また、着信やSMSのフィルタ機能も備え、迷惑電話や迷惑SMSに関して、ホワイトリスト・ブラックリストの双方でブロックできる。

Webレピュテーションは、PC版をベースにしたデータベースを使ったもの。ペアレンタルコントロールはカテゴリごとに設定可能

さらに、ウイルスバスター for Androidを購入したユーザーが2012年5月末までにユーザー登録すると、365日のAndroid専用サポートが提供される。ウイルスバスターのサポートだけでなく、Android端末の全般的なサポートが提供されるので、スマートフォンの使い方が分からない場合も安心して利用できる。

Android全般のサポートが無料で提供される。「サポート力を持った製品を出すべき」(大三川氏)との考えだという

対応OSはAndroid 2.2/2.3/3.0/3.1。価格はオープン価格で、直販サイトでは1年間のサポートが付いて2,980円。ウイルスバスター2012の1年版とセットでも販売され、価格は7,980円となっている。