22日にシャープが発表した、BDレコーダー「BD-W2000」「BD-W1000」「BD-W500」は、業界初のスカパー!HDチューナー内蔵モデル。製品の概要については、新製品ニュースを参照してほしいが、23日、この新製品に関するプレス向け内覧会が開催され、ニュースリリースには含まれていなかった詳細が一部判明した。発売は9月23日とまだ先だが、いくつかの新情報についてレポートしたい。

業界初のスカパー!HDチューナー内蔵BDレコーダー「BD-W2000」

4波チューナー内蔵で、レコーダの番組表で録画予約が可能

今までにも、スカパー!HDチューナーとLANなどを経由しての接続で録画が可能なBDレコーダーは存在した。それらと、チューナー内蔵レコーダーBD-W2000/1000/500との最も大きな違いは2点。ひとつは、接続や操作が楽という点。そしてもうひとつは、録画した番組を、BDなどのメディアに書き出すことが可能だという点だ。前者に関しては接続がシンプルという点に加え、スカパー!HDの番組を地上/BS/110度CSデジタルなどの番組と同様に、レコーダー側で予約録画することが可能という点が大きなメリットである。写真は、BD-W2000/1000/500で、スカパー!HDの番組表を表示したところだ。この画面からダイレクトに予約録画を行うことが可能だ。

なお、スカパーHDのチャンネル数は現時点で89。さらに2012年には120ch以上に増加する予定だ。こういった多くのチャンネルの中から、番組表だけで希望のチャンネルに移動するのは、なかなか大変だ。番組表に一度に表示できるのは7チャンネル。端から端までだと、13画面分のスクロールが必要になる。スカパー!HDを視聴するに際しては、同社が提供しているパックで契約するというのが一般的だろうが、現在提供しているパックは、チャンネル数68の「スカパー!欲張りパックHD」と、チャンネル数15の「スカパー!えらべるHD」の2種類。いずれにせよ、番組表だけでなく3桁の数字ボタンによる直接入力や検索機能による録画予約が、大きなウェイトを占めるだろう。BD-W2000/1000/500では、地上/BS/110度CSデジタルの番組と同様に、スカパー!HDの番組でもキーワード検索機能が使用可能だ。

スカパー!HDの番組表も表示可能

契約していないチャンネルはスキップさせれば番組表には表示されなくなる

また、BD-W2000/1000/500では内蔵チューナーだけでなく、CATVチューナーとLANで接続することでCATVのハイビジョン番組の録画も可能だ。この機能は、BD-W2000/1000/500だけでなく現行モデルでも、後日リリースされる予定のアップデートで利用可能になる。アップデートの詳細については、判明次第報告したい。

USB HDDへも対応予定

このところ、USB接続タイプのHDDによる録画機能を装備したテレビが増加しているが、レコーダーで、外部HDDへの録画機能を装備するモデルはまだまだ少ない。多チューナー化で、録画の頻度が上がったことで容量の問題がクローズアップされてきているレコーダーにこそ、録画容量を拡張する外部ハードディスクのメリットは大きい。ニュースリリースに記載はなかったが、BD-W2000/1000/500もUSB接続タイプの外付けHDDへの録画に対応する予定だ。発売時には非対応だが、ファームウェアのアップデートによりサポートされる。アップデート実施のスケジュールやその内容などは、現時点では確定していないとのことだが、同社によると、スカパー!HDの録画や、録画した番組のダビングだけでなくムーブにも対応する一方で、長時間モードでの録画はおそらく難しいとのことだ。

なお、BD-W2000/1000/500のUSB端子は、フロントのシーリングドア内の1基のみ。USB接続のHDDをつないだ場合は、常にフロントのドアが開いた状態になってしまい、残念ながらあまりスマートではない。

単純に無線で接続されるだけではないWi-Fiコネクト機能

同社のレコーダーでは従来より、DLNAサーバー機能が搭載されており、録画した番組を他の部屋で試聴することが可能だった。だが同社によると、この機能はあまり使用されていなかったとのことだ。その理由は、家庭内でのネットワーク環境がそれほど整備されていないという点にある。

そこでBD-W2000/1000/500で採用したのがWi-Fiコネクト機能だ。同機能は、BD-W2000/1000/500がアクセスポイントとなり、無線LANを内蔵しているテレビやスマートフォンと接続できるというもの。BD-W2000/1000/500に録画した番組を別の部屋で試聴できるというだけでなく、現在放送中の番組を別の部屋で視聴する「放送番組転送」機能も利用できる。スカパー!HDでは、契約をしたチューナーでしか番組を視聴できないが、この機能を使用すれば他のテレビでも番組を楽しむことができる。もちろん、この機能を利用するには、視聴したい番組を受信可能なチューナーが空いている必要がある。

BD-W2000/1000/500が搭載しているチューナーは地上/BS/110度CSデジタル用がそれぞれ2基に、スカパー!HD用が1基。これらのうち、その時点で録画に使用していないチューナーが対応する放送のみ転送可能だ。なお、この放送番組転送もDLNAを利用した機能である。転送の仕組みは、番組をいったんHDDに録画し、タイムシフト再生的に配信するというものだ。そのため、転送されるタイミングは、放送をリアルタイムに視聴するより若干遅くなる。なお、転送はビットレートを落とさない状態で行われる。

同時発売する「VR-NP1」は、無線LNA機能を搭載したDLNAプレーヤー。同社では、今までに約3,000万台の液晶テレビ「AQUOS」を販売しているが、それらのほとんどは無線LAN機能を搭載していない。VR-NP1を無線LAN非対応のAQUOSに接続することで、BD-W2000/1000/500の機能を手軽に使うことができるようになる。VR-NP1とテレビとはHDMIケーブルで接続する。VR-NP1にもリモコンは付属しているが、ファミリンクに対応したAQUOSで使用した場合、テレビ側のリモコンでコントロールが可能だ。

「VR-NP1」は、ネットワーク機能に対応していないAQUOSのためのDLNAプレーヤー

ワイヤレスで、BD-W2000/1000/500に録画した番組を視聴することができる

レガシーレスな接続端子

BD-W2000/1000/500では、最近のPCと同様に、レガシーな接続端子はばっさりと削除されている。背面パネルに装備されている接続端子は、下の写真のようにLANと光デジタル音声出力、HDMI出力、アンテナそれぞれの端子のみ。スカパー!HDチューナーを内蔵したことでアンテナ端子が5本になっているが、アナログの映像/音声端子がカットされ、非常にシンプルな構成になった。また、背面パネルにあるには、四角い出っ張りは、Wi-Fiコネクト用のユニットとなっている。

アンテナ端子の数がすごいことになっているが、それ以外は非常にシンプルな背面パネル

四角い出っ張りはWi-Fiコネクトユニット