先日、米Hewlett-Packard (HP)がwebOS事業からの撤退という残念なニュースが報じられたが、この表明を受けてHPではwebOS搭載タブレット「TouchPad」の値下げを断行、399ドルだった16GBストレージモデルは99ドルとなり、多くのユーザーが購入に殺到し売り切れが続出する事態となった。さて、最初で最後のwebOS搭載タブレットとなったTouchPadだが、HPが事業撤退を表明した以上はこれ以上のソフトウェアアップデートは望めないし、対応アプリの開発もストップするだろう。事実上の死亡宣告だ。そこで、購入したTouchPadの余生を「Androidタブレット」として過ごさせるべく立ち上がったプロジェクトが「Touchdroid」となる。
TouchdroidはRootzWikiのプロジェクトの1つとして現在複数のメンバーによって運営されている。その目標はTouchPad上でAndroid OSを動作させることにあり、現在はASOP(Android Open Source Project) に準拠したGingerbreadの動作に成功している。下記のYouTube動画にもあるように、99ドルで購入してきたTouchPad上ですでにGingerbreadの基本機能は動作しているようだ。
Touchdroidによれば、このGingerbread ROMが安定ベータに達したと判断した段階で、バグフィックスを継続しつつ、こんどはHoneycombのTouchPadへのポーティングを開始していく意向だという。Touchdroidの進行状況についてはFacebookの専用ページも用意されており、こちらで逐次アップデートを確認できる。すでに入手困難となったTouchPadであり、日本のユーザーで入手できた方はほとんどいないと思われるが、もし運良く購入できた方には遊び方の1つとして面白い試みだろう。また今後、このようにアップデート提供終了など将来が閉ざされたタブレットやスマートフォンがあったとして、ユーザーの積極的なハッキングにより第2の人生(?)が拓けることになるかもしれない。