俳優の松山ケンイチと子役の芦田愛菜らが20日、東京・新宿ピカデリーで行われた映画『うさぎドロップ』の初日舞台あいさつに出席した。

左から、SABU監督、綾野剛、桐谷美鈴、芦田愛菜、松山ケンイチ、香里菜、佐藤瑠生亮、池脇千鶴、由美・亜美(PUFFY) 拡大画像を見る

映画『うさぎドロップ』は、宇仁田ゆみの同名コミックが原作で、ある日突然"イクメン"になってしまった27歳独身男のダイキチ(松山)と、ダイキチの祖父の隠し子だという6歳の少女・りん(芦田)の物語。ひょんなことから共同生活を始めた2人は、周りのみんなに支えられ、見守られながら、本当の家族のような愛情と絆で結ばれていく心温まるストーリーだ。

舞台あいさつには、松山と芦田のほか、香里奈、桐谷美玲、佐藤瑠生亮、綾野剛、池脇千鶴のキャスト陣とSABU監督が出席。松山は「会場に入った瞬間に、あたたかい空気を感じたので良かったです」と安堵の表情を浮かべ、「この映画は、めちゃくちゃ思い出深くて…。子供と接する機会がなかったので、撮影の1カ月ちょっとが、僕にとっての癒され期間でした」と撮影を振り返った。

また、松山は特殊メイクでダイキチの祖父も演じたことを明かし、「最初に会った時、愛菜ちゃん気付かなかったでしょ?」と話すと、芦田は「気づきましたよー。声が一緒だったもん!」と即答。しかし、松山に「目をきょろきょろして、初めましてって言ったじゃん!」と返され、「あれー? そうでしたっけ? でも分かったもん」と頬をふくらませる場面も。また、松山は「打ち上げで(佐藤)瑠生亮とかくれんぼしてたら、『別れたくない』って愛菜ちゃんが泣いてて……。恋人みたいでした。でも、それにつられて瑠生亮も泣きだしちゃって。子供のそういう気持ちはすごいと思ったし、いつまでも忘れないでいたいですね」と心温まるエピソードを披露した。

一方、シングルマザーを演じた香里奈は「まだまだ、社会の環境が整っていないと感じました」とシングルマザーの大変さを実感した様子。池脇も「『子供との時間も、自分の時間だ』というセリフがあって、自分も子育てをすることになったらそう思いたいですね」と真摯に語った。子供が大好きだという桐谷は「愛菜ちゃんとのダンスシーンが楽しくて。でも、休憩中も松山さんと愛菜ちゃんは仲良さそうでした」と2人の仲を羨んだ。そんなキャスト陣の感想を聞いていたSABU監督は「みんな、楽しかったとか遊んでたとか言ってるけど、そんな空気を作った俺はすごい(笑)」と自画自賛していた。

舞台あいさつには、主題歌「SWEET DROPS」を歌ったPUFFYもゲストで登場し、松山とSABU監督に花束が手渡された。最後に、松山は「仕事だけじゃなく家の中でも得られるものはある。どっちかに偏ってはダメ。ダイキチが変わっていく潔さや強さがあれば、僕も含め日本男子はかっこよくなると思う。みんなに見て欲しいけど、男性にも是非観て欲しい。」と熱く語った。

映画「うさぎドロップ」は、20日から、渋谷シネクイント・新宿ピカデリーほか全国で公開中。