米Microsoftは8月15日(現地時間)、「Building Windows 8」と呼ばれるBlogコーナーをMSDNサイト内に開設した。同社Windows開発チームのトップであるSteven Sinofsky氏は、同ブログの開設にあたってポストした挨拶エントリの中でWindows 8の開発状況について言及し、数カ月内にも同OSの「プレリリース版」と呼べるものを配布する計画であることを明かしている。
Sinofsky氏によれば、Building Windows 8 (B8)は来年2012年後半にも登場するといわれるWindows 8のアップデート情報を提供するために開設されたものだという。だがWindows 8は発売を1年後に控えていながら現時点でほとんど詳細情報が出ておらず、一般向けに明らかにされているのは「x86以外にARM SoC上で動作する」「タブレット用の新UI」といった断片的な情報のみだ。そのため従来のソフトウェアやドライバ資産の互換性、バイナリやスペックの異なるx86とARMでの相互運用性など、気になるところがほとんど明かされていない。
こういった詳細の多くについては9月中旬に米カリフォルニア州アナハイムで開催予定の「Build Windows」カンファレンスで公開され、一部開発者に対してベータ版の配布が行われることになるとみられるが、同氏の指揮の下に開発が進められたWindows 7同様に、ギリギリまで必要最低限の情報のみが公開されるにとどまることになるだろう。そのため、B8は多くのユーザーや開発者にとって貴重な情報ソースの1つとなるはずだ。
問題は同氏のいう「プレリリース版」の位置付けだ。2~3カ月内での提供とのことだが、登録開発者を含む一般ユーザーに対して使用期間限定版としての配布が行われるのか、また9月のカンファレンスで配布されるとみられるものとは別のビルドとなるのか、ARM向けのバイナリ配布は行われるのかなど不明点は多い。気になるユーザーは定期的にB8をウォッチしていくといいだろう。